例文・使い方一覧でみる「野茨」の意味

...野茨（のばら）乱れて白きのみ... 野茨乱れて白きのみの読み方
泉鏡花「貝の穴に河童の居る事」

...野茨やこの道ゆかばふるさとか少年時代には何げなく見過ごしたことであるが...
竹久夢二「砂がき」

...そこには雑草に交（まじ）って野茨（のいばら）の花が白く咲いていたが... そこには雑草に交って野茨の花が白く咲いていたがの読み方
田中貢太郎「雑木林の中」

...其所には雑草に交つて野茨の花が白く咲いてゐたが... 其所には雑草に交つて野茨の花が白く咲いてゐたがの読み方
田中貢太郎「雑木林の中」

...一貫目余の筍（たけのこ）を二本担（にな）って往ったり、よく野茨の花や、白いエゴの花、野菊や花薄（はなすすき）を道々折っては、親類へのみやげにした... 一貫目余の筍を二本担って往ったり、よく野茨の花や、白いエゴの花、野菊や花薄を道々折っては、親類へのみやげにしたの読み方
徳冨健次郎「みみずのたはこと」

...水を好む野茨（のばら）も心地（ここち）よく其の涯（ほとり）に茂って... 水を好む野茨も心地よく其の涯に茂っての読み方
徳冨健次郎「みみずのたはこと」

...彼（かれ）は又（また）火（ひ）が野茨（のいばら）の株（かぶ）に燃（も）え移（うつ）つて... 彼は又火が野茨の株に燃え移つての読み方
長塚節「土」

...路易はやつとのことでこの頃の自分の心のうちの野茨のやうなこんがらがりを發見しだした...
堀辰雄「顏」

...何しろ野茨だから... 何しろ野茨だからの読み方
堀辰雄「巣立ち」

...眞白な花を咲かせてゐる野茨の茂みの... 眞白な花を咲かせてゐる野茨の茂みのの読み方
堀辰雄「巣立ち」

...花のさいた野茨の茂みの中で... 花のさいた野茨の茂みの中での読み方
堀辰雄「巣立ち」

...もう雨のためにあらかた花の散つてしまつてゐるその野茨の茂みの中に...
堀辰雄「巣立ち」

...子規○僕が死んだら道端か原の真中に葬って土饅頭を築いて野茨（のいばら）を植えてもらいたい... 子規○僕が死んだら道端か原の真中に葬って土饅頭を築いて野茨を植えてもらいたいの読み方
正岡子規「墓」

...いま秋だから野茨の花の匂のする筈はないとジヨバンニは思ひました...
宮沢賢治「銀河鐵道の夜」

...籬垣は野茨の花を覗かせたりして曲がり... 籬垣は野茨の花を覗かせたりして曲がりの読み方
室生犀星「巷の子」

...その枝にまじって野茨の赤い実が美しく光ってみえた... その枝にまじって野茨の赤い実が美しく光ってみえたの読み方
山本周五郎「菊千代抄」

...野茨（のいばら）の枝ぶりまでも... 野茨の枝ぶりまでもの読み方
夢野久作「木魂」