...きつと卑俗で生野暮なものだといふことを...
太宰治 「陰火」
...いよいよ野暮な作品ばかり書いて行くような気がします...
太宰治 「風の便り」
...丹三郎はいまいましげに勝太郎を横目で睨(にら)んで、「お前もまた、野暮な男だ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...この人はこの通り野暮なんだから」ナオミは「この人」と云う時に人差指で私の肩を軽く叩いて...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...理論的に真面目に受け取って頭をひねることほど野暮なことはない...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...淫事の恐るべきは武骨一片の野暮なるが故にして淫の淫たるが故に非らざる也と...
永井荷風 「猥褻独問答」
...それで紙芝居では電気技術だの機関車だのという野暮な話は取り上げない方が利巧である...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...言わば野暮なお方で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...なんて野暮な聲を出すんだ」二人はそれつ切り口を噤(つぐ)みましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五十がらみの野暮な親爺で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...赤裸々な構図の見えすいている野暮な正しさや惨めな欠陥を除けて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...いいえ、野暮な話だが、大阪の押しずし、蒸しずし(ぬくずし)なんかも、好きだ...
古川緑波 「うどんのお化け」
...明日になれば何千人のも野暮な相場師が押しかけることは疑いない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「バブル崩壊」
...むしろ野暮な闘士に近い同君は...
正岡容 「わが寄席青春録」
...秋の紅葉は見ぬが野暮なりと独り諺をこしらへて其言ひわけに今年は日光の紅葉狩にと思ひ付きぬ...
正岡子規 「日光の紅葉」
...厭でも応でも今度こそ結婚して貰わなくちゃアならない」「……他にだって女はあるんだから……厭がる女の後を追うような野暮な真似はやめるがいいぜ...
松本泰 「日蔭の街」
...野暮な止め立てをしてくれるな」引ったくるように徳利を取った新九郎は...
吉川英治 「剣難女難」
...性格はそんな野暮な人でなかったらしい...
吉川英治 「宮本武蔵」
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