...而(しか)して徒(いたずら)にこれを野卑なる情欲に導き...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...彼をその野卑な周囲からさえぎってしまった...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...呆(あき)れて応答も出来ないような野卑な口をきいて毒づくのである...
近松秋江 「霜凍る宵」
...野卑な人々だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...生活が野卑なものであろうとなかろうと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...野卑な文句が投げつけられる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...或は金錢を談ずることの野卑なのを羞ぢるのではないかと思つたので...
長塚節 「教師」
...それは窮乏な家庭に成長した丈に野卑なさもしい処もありはあつたが...
長塚節 「隣室の客」
...かういふ野卑な対話でも私は平生ならば幾分の興味を持つたであらうが其日はいつまでも聞いて居ることが出来なかつた...
長塚節 「隣室の客」
...野卑な厭味とキザとで芬々たる臭氣を放つてゐた...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...野卑な弥次が飛んで...
火野葦平 「花と龍」
...何も知らずに野卑な方言などを使ふのを...
牧野信一 「熱海線私語」
...吐きかけた野卑な雑言に過ぎなかつた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...無駄を誇りとするかのやうな野卑なる...
牧野信一 「小川の流れ」
...見る者の眼にも野卑なる思ひを感ぜしめずに済むだらう――綺麗だ! と思つた...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...余技に親しまうとする澄んだ精進の心のない野卑な夫に...
牧野信一 「蝉」
...野卑な冗談を吐いたりすることが非常に巧者で...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...此歌萬葉時代に流行せる一氣呵成(かせい)の調にて少しも野卑なる處は無く字句もしまり居り候へども全體の上より見れば上三句は贅物(ぜいぶつ)に屬し候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
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