...而して貴重なる国家を左右する、法律を左右する鍵をだ、卑劣なる、野卑なる、陰険なる輩に奪われて、而して禍(わざわい)を受けて、而して禍に苦しんで、種々の不平を唱えるとは何事ぞ...
大隈重信 「憲政に於ける輿論の勢力」
...いやに肩を怒らした野卑な書体で...
太宰治 「惜別」
...「惚れられる」というような野卑な言葉に依って生じるやにさがった雰囲気(ふんいき)に対して...
太宰治 「人間失格」
...生活が野卑なものであろうとなかろうと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...女工の根深い野卑な気質は間もなく露骨になってきた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...野卑なこと、猥褻(わいせつ)なこと、不潔なこと、それを語るにも一種の落ち着きをもってし、風流の冷静さをもってした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...思ひがけない野卑な惡意...
中島敦 「かめれおん日記」
...それは窮乏な家庭に成長した丈に野卑なさもしい処もありはあつたが...
長塚節 「隣室の客」
...窮迫した家庭に成長したからだと思はれるだけ野卑な処もあつた...
長塚節 「隣室の客」
...野卑な弥次が飛んで...
火野葦平 「花と龍」
...ずいぶん野卑な連中とも接触しなければならなかったけれど...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...白昼婦女に弄れる野卑なる酔漢であつた...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...しかれども野卑に陥りやすきをもって野卑ならざるものをも棄(す)つるはその弁別の明なきがゆえなり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...しかれども野卑に陥りやすきを以て野卑ならざる者をも棄つるはその弁別の明なきが故なり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...野卑な言葉を遣うはずがない...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...見て感じの悪いような野卑な僧などがあとへあとへとこのごろはたくさん来るのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こんどは野卑な戯(ざ)れ口(くち)で果てしもない...
吉川英治 「私本太平記」
...宛(さなが)ら自分等があの亂暴な野卑な催促を受けて居るかのやうで二人とも息を殺して身を小さくして縮(すく)んでゐたのである...
若山牧水 「一家」
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