...いよいよ御来迎(ごらいごう)?」「来たね」というような野卑な言葉が...
有島武郎 「或る女」
...ナポレオンにはもっと野卑な処がある...
高村光太郎 「人の首」
...「惚れられる」というような野卑な言葉に依って生じるやにさがった雰囲気(ふんいき)に対して...
太宰治 「人間失格」
...中音(テノール)も野卑なら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...窮迫した家庭に成長したからだと思はれるだけ野卑な処もあつた...
長塚節 「隣室の客」
...我々の尊ぶ自由というはかくの如き野卑なものでない...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
...野卑な弥次が飛んで...
火野葦平 「花と龍」
...ずいぶん野卑な連中とも接触しなければならなかったけれど...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...無駄を誇りとするかのやうな野卑なる...
牧野信一 「小川の流れ」
...白昼婦女に弄れる野卑なる酔漢であつた...
牧野信一 「川蒸気は昔のまゝ」
...少しも野卑なる処はなく...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...あたかも東洋の美術に心酔する者が西洋の美術をもってことごとく野卑なりとして貶(へん)するがごとし...
正岡子規 「俳人蕪村」
...(各種を同時に用ゐたるもあり)その浅薄にして野卑なる...
正岡子規 「古池の句の弁」
...見て感じの悪いような野卑な僧などがあとへあとへとこのごろはたくさん来るのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...少しでも野卑な詞...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...更に一層拙悪野卑な散文の横書きを以て詩歌の名を僭しているのです...
与謝野晶子 「教育の民主主義化を要求す」
...こんどは野卑な戯(ざ)れ口(くち)で果てしもない...
吉川英治 「私本太平記」
...一ノ二「莫迦ッ、そんな事が出来ねエのか、間抜けめ!」親方は、野卑な言葉で、そう呶鳴(どな)ると、手に持った革の鞭で、床をビシビシ撲りつけながら、黒吉(くろきち)を、グッと睨みつけるのだった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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