...雨が激しく降る野分が吹いています...
...ボートに乗り、野分にも負けずに海を渡る...
...野分の夜、寝苦しい中窓を開け、風を感じるのが好き...
...予報によれば、今夜は野分が吹くということだ...
...雷鳴と共に野分が襲いかかったが、慌てることなく逃げ切った...
...まだ野分(のわき)の朝などには鼠小僧(ねずみこぞう)の墓のあたりにも銀杏落葉(いちょうおちば)の山の出来る二昔前(ふたむかしまえ)の回向院である...
芥川龍之介 「少年」
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伊東静雄 「詩集夏花」
...野分(のわき)というものなのかしら...
太宰治 「パンドラの匣」
...有名な「古池やかわず飛び込む水の音」はもちろんであるが「灰汁桶(あくおけ)のしずくやみけりきりぎりす」「芭蕉(ばしょう)野分(のわき)して盥(たらい)に雨を聞く夜かな」「鉄砲の遠音に曇る卯月(うづき)かな」等枚挙すれば限りはない...
寺田寅彦 「映画芸術」
...怒(いか)る野分は横さまに煙りを千切(ちぎ)って遥(はる)かの空に攫(さら)って行く...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...ときどきそんな野分めいた風がさつと屋根や窓にそこらぢゆうの枯葉を夕立のやうにぶつつけてゐる...
堀辰雄 「山日記 その二」
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前田普羅 「普羅句集」
...九七五調の句独鈷(どくこ)鎌首水かけ論の蛙かな売卜先生木の下闇の訪はれ顔花散り月落ちて文こゝにあら有難や立ち去る事一里眉毛(びまう)に秋の峰寒し門前の老婆子薪(たきぎ)貪(むさぼ)る野分かな夜桃林を出でゝ暁嵯峨(さが)の桜人五八五調...
正岡子規 「俳人蕪村」
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山川登美子・増田雅子・與謝野晶子 「恋衣」
...すべての声が消えて)(再び「寮歌」)歌(第二番の歌詞)豊かにみのれる石狩の野に雁の音はるばる沈みて行けば羊群声なく牧舎にかえり手箱のいただきたそがれこめぬ雄々しくそびゆるエルムの梢打振る野分に破壊の葉音のさやめく甍に久遠の光おごそかに...
三好十郎 「樹氷」
...颯々と野分のやうな羽音を落して...
三好達治 「測量船」
...野分(のわき)ふうに風が出て肌寒(はださむ)の覚えられる日の夕方に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...風が野分(のわき)ふうに吹く夕方に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...野にはもう北国の荒い野分(のわき)が吹きはじまって...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...ことに遠野分より栗橋分へ下らんとするあたりは...
柳田国男 「遠野物語」
...野分(のわけ)のあと敗者の当然ながら...
吉川英治 「私本太平記」
...野分(のわき)に伏した草むらや...
吉川英治 「宮本武蔵」
...『猫』の次に『野分』において正義の情熱の露骨な表現があった...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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