...雨が激しく降る野分が吹いています...
...ボートに乗り、野分にも負けずに海を渡る...
...野分の夜、寝苦しい中窓を開け、風を感じるのが好き...
...予報によれば、今夜は野分が吹くということだ...
...雷鳴と共に野分が襲いかかったが、慌てることなく逃げ切った...
...まだ野分(のわき)の朝などには鼠小僧(ねずみこぞう)の墓のあたりにも銀杏落葉(いちょうおちば)の山の出来る二昔前(ふたむかしまえ)の回向院である...
芥川龍之介 「少年」
...野分(のわけ)は無事に吹去りぬ...
泉鏡花 「海城発電」
......
高浜虚子 「五百句」
...「野分(のわけ)」位ナ所ガヨカロウト思イマス...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...九月廿三日曇、秋冷、野分らしく吹く...
種田山頭火 「其中日記」
...裏の林に野分の渡るのを聞きながら...
田山花袋 「田舎教師」
...「野分(のわき)」「二百十日」こういう言葉も外国人にとっては空虚なただの言葉として響くだけであろう...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...あたりはやがてひんやりと野分(のわき)ふく秋の末のように...
永井隆 「長崎の鐘」
...東京俘虜収容所なら、日立分所、長野分所、新潟分所と、支店のようなものをいくつかもっている...
久生十蘭 「ノア」
...私は広い草原に野分だつた風の吹いて居る心持を人馬の疎らに走る象によつてあらはした一種の象徴詩だと思ふ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...たださういつた野分の日のありさまだけを自分の前に浮べながら...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...一、その外霞(かすみ)、陽炎(かげろう)、東風(こち)の春における、薫風(くんぷう)、雲峰(くものみね)の夏における、露、霧、天河(あまのがわ)、月、野分(のわき)、星月夜(ほしづくよ)の秋における、雪、霰(あられ)、氷の冬におけるが如きもまた皆一定する所なれば一定し置くを可とす...
正岡子規 「俳諧大要」
...九七五調の句独鈷(どくこ)鎌首水かけ論の蛙かな売卜先生木の下闇の訪はれ顔花散り月落ちて文こゝにあら有難や立ち去る事一里眉毛(びまう)に秋の峰寒し門前の老婆子薪(たきぎ)貪(むさぼ)る野分かな夜桃林を出でゝ暁嵯峨(さが)の桜人五八五調...
正岡子規 「俳人蕪村」
...九七五調の句独鈷(どっこ)鎌首水かけ論の蛙(かわず)かな売卜先生木の下闇の訪はれ顔花散り月落ちて文こゝにあら有難や立ち去る事一里眉毛に秋の峰寒し門前の老婆子薪(たきぎ)貪(むさぼ)る野分かな夜(よる)桃林(とうりん)を出でゝ暁(あかつき)嵯峨の桜人五八五調...
正岡子規 「俳人蕪村」
...すべての声が消えて)(再び「寮歌」)歌(第二番の歌詞)豊かにみのれる石狩の野に雁の音はるばる沈みて行けば羊群声なく牧舎にかえり手箱のいただきたそがれこめぬ雄々しくそびゆるエルムの梢打振る野分に破壊の葉音のさやめく甍に久遠の光おごそかに...
三好十郎 「樹氷」
...野分ほどな駒にも乗れ...
吉川英治 「新書太閤記」
...ザッ――と野分のように...
吉川英治 「野槌の百」
...「風は」は(野分の翌日の描写も入れて)ちょうど七枚と見られ得るから...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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