...野兎が長い耳をぶらぶらさせて馭者臺の周圍に吊されてゐた...
アーヴィング 高垣松雄訳 「驛傳馬車」
...馭者台(ぎょしゃだい)には野兎(のうさぎ)が長い耳をたらしてぶらさがっていたが...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「駅馬車」
...自分の耳の影を見てその形を知つてゐる野兎は...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...さながらうねる大蛇(おろち)に迫られた哀れな野兎...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...外遊中は人気(ひとけ)がないので野兎(のうさぎ)が安心して園に巣をつくりました...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...樺色の野兎の足で...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...野兎の足を衣嚢(かくし)から取り出し...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...その犬が野兎のゐるのを嗅ぎつけてそれを追ひ立てる...
堀辰雄 「匈奴の森など」
...長持の上には何時か武一が飼つたことのある大木兎や、太一郎に打たれたネープの仲間達、それから滝本が、いわれを知らぬ一頭の狐が、野兎、山鳥、家鴨、その他様々な家畜頬と無茶苦茶に雑居してゐる...
牧野信一 「南風譜」
...こんな野兎もある!若い野兎はぺっと唾を吐きみづかきを撫(な)でながら...
槇村浩 「野兎の歌」
...野兎は跳ぶのを止めた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...第1図 野兎第2図 熟兎第3図 岩兎この一篇を綴(つづ)るに先だち断わり置くは単に兎と書いたのと熟兎(なんきん)と書いた物との区別である...
南方熊楠 「十二支考」
...野兎また野猫児と呼ぶとあった...
南方熊楠 「十二支考」
...熟兎等をよく見付けたが野兎には利かなんだと...
南方熊楠 「十二支考」
...美しいところのある乙女の顔は急にまたびっくりした野兎のように必死な表情になった...
「小祝の一家」
...拔足差足 忍び寄つた野兎は 蓆圍ひの隙間から 野菜畑に跳びこんだとたんに係蹄(わな)に引かかる 南無三 とんぼがへりを二つ三つ力まかせに空を蹴る 月を蹴る 月は 山の端に入(は)いるやがて兎は 寢てしまふ 白菜たちが眼を醒す...
三好達治 「兎」
...ある日路傍の山がつから係蹄(けいてい)にかかつた野兎を一羽貰ひうけた...
三好達治 「柘榴の花」
......
三好達治 「短歌集 日まはり」
便利!手書き漢字入力検索