...それから近代文芸読本の……僕 あの家の棟木(むなぎ)は僕には重たい...
芥川龍之介 「闇中問答」
...重たい香(かを)りだつた...
犬養健 「朧夜」
...行き交ふ人は寒さと雪に景氣をつけられて興奮して通る雪は濃厚の空氣の中に風が無いので一直線に降りて來る一緒にかたまつて降つたり一片一片妙にゆつくりと重たい空氣にのつかつて落ちて來る顏を目がけて飛んで來て眞直ぐに足下へ落ちて消えてゆく降つても降つても往來ではぬかるみへ靜かに消えてゆく...
千家元麿 「自分は見た」
...主人に内緒で森にでかけてその重たい四つ脚をひけらかし...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...彼は重たい/\足を曳きずって...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...重たいのをすべらすまいと指の先に力をいれて笙の笛みたいに環(わ)をつくる...
中勘助 「銀の匙」
...わざわざ重たい思いをして空中まで引き揚げてみようという好奇心も起らないでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...重たい男の寢息がしてゐる...
林芙美子 「暗い花」
...重たい風が飄々と吹く度に...
林芙美子 「新版 放浪記」
...暑い重たい空気とが以前通りに立ちこめていた...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...実際の重量よりも重たい響を立てて...
水上滝太郎 「果樹」
...風船にひつぱられて 小鳥は中空たかくのぼつていつた風船はくるめく日傘をまはし あたたかな銀の雨を降らした小鳥はむしやうにうれしくなり 力いつぱいそのすずを鳴らしたそれにしても風船にのれない重たい心――ぼくは丘のクツサンの中でじたばたするあばらに生えた青麦の芽をむしりながら...
森川義信 「春」
...「完全な眠りよりももっと重たい眠りに陥ったとき...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その真上に重たい銀色の球(たま)をさし出して手を離しながら...
夢野久作 「ココナットの実」
...その内側に巨万の富を蔵(しま)い込んでいるらしい……黒い……重たい……マン丸く光る黄金色の鋲(びょう)を縦横に打ち並べた……ただその扉が普通と違うところは...
夢野久作 「白菊」
...あの重たい愛をひつぱり歩く無格好な姿が眼に見えた...
横光利一 「火の点いた煙草」
...重たい焦慮(しょうりょ)になっていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そんな重たい場ふさぎなもんなんて...
蘭郁二郎 「地図にない島」
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