...重兵衞は重々しく首を傾(かし)げて...
石川啄木 「赤痢」
...重々しい古代裂(こだいぎれ)を売る家や...
岩本素白 「六日月」
...その重々しい文学士が下等新聞記者の片手間仕事になっていた小説――その時分は全く戯作だった――その戯作を堂々と署名して打って出たという事は実に青天の霹靂といおう乎(か)...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...それは重々、察している...
太宰治 「嘘」
...言語動作は重々しく...
太宰治 「お伽草紙」
...ちょうど重々しく沈鬱(ちんうつ)なしかも若く美しい公子でも見るような気がした...
寺田寅彦 「病室の花」
...重々ごもっとも、それはまったく数学的に明瞭である...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...重々しい寂(さび)しげな...
ロマン・ローラン 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その重々しい感傷性と陰鬱(いんうつ)な倦怠(けんたい)とで彼の心を圧倒した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「同一の自分」と「移る自分」とをつなぐ神秘な重々無尽の鏡の間として...
中井正一 「「見ること」の意味」
...重々世話になっている平次...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...」重々しい声だ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...彼は何か膝(ひざ)まずくような重々しい気持で...
本庄陸男 「石狩川」
...例えば紹鴎(じょうおう)などにも既に重々認められていたものではないか...
柳宗悦 「民藝四十年」
...ナポレオンの部屋の重々しい緞帳は...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...」とボートルレは重々しげにいった...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
...夏の初めにありがちのいやに蒸し暑い風の無い重々しい氣の耐へがたいまで身に迫つて來る日で...
若山牧水 「一家」
...丹と白との清らかな対照は重々しい屋根の色の下で...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
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