...重々しい力の無い声に出来るだけ抑揚をつけて諄々(くどくど)と説いたものだ...
石川啄木 「赤痢」
...極めて重々しく一語々々を腹の底から搾(しぼ)り出すように話した...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...こうした頭脳のくるしさまでが重々しくのしかかっているのだ...
海野十三 「宇宙戦隊」
...重々しい襞(ひだ)を作って...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...重々御迷惑とは存じまするが...
江見水蔭 「備前天一坊」
...重々しい声で云った...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...重々しい雰囲気が社会全般を蔽いつつあった頃のことでした...
豊島与志雄 「三つの嘘」
...重々しい馬車が大駆けに出発することを意味するもので...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それもこれも重々私が悪かったからでございます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「星田君! 気の毒だが警視庁まで来て貰おう」警部は重々しい口調でそういった...
橋本五郎 「殺人迷路」
...杖で床を打つ音が重々しく響きわたった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...ふざけてそんな時の癖で何かの声色でも真似るらしく重々しい調子で...
牧野信一 「秋晴れの日」
...凝つと雲の彼方を睨めながら重々しく唸つた...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...大した六つかし氣な知識でも吹聽するかのやうな重々しい口調で...
牧野信一 「痴日」
...重々しい美はあったがシナリオ全体としては従来の「支那街(チャイナタウン)」の概念から一歩も脱していなかった...
宮本百合子 「映画の語る現実」
...公けの最も重々しい儀式の日の...
柳田国男 「年中行事覚書」
...重々自分も悪かった...
吉川英治 「私本太平記」
...その上にも相手のこじれたふうをなだめて――「重々拙者の狐疑心(こぎしん)が悪い...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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