...醜悪なる老年を迎へるのは当然佐藤春夫にのみ神神から下された宿命である...
芥川龍之介 「佐藤春夫氏」
...横倒しになった醜悪なけだものを見おろして...
江戸川乱歩 「影男」
...醜悪な野心や権勢欲がそこにからんでいたほうが...
高見順 「いやな感じ」
...世間並に言って醜悪な顔立に何とも言えない美しさが出て居たり...
高村光太郎 「顔」
...いかに容貌醜悪なテルシテスと雖も...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...腐りたゞれた醜悪なものと思い込もうとするのには...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...醜悪な臭の火が燃えていた...
直木三十五 「南国太平記」
...醜悪なる銅像等凡て新しき時代が建設したる劣等にして不真面目なる美術を駆逐し...
永井荷風 「霊廟」
...醜悪な人間が奏(かな)でる...
中里介山 「大菩薩峠」
...今ある通りのものは可能の中での最も醜悪なものではないのか? そうした気持が絶えず中学生の彼につき纏うのであった...
中島敦 「狼疾記」
...己(おの)れの醜悪な事が怖(こわ)くなる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ほしいままに自己を発揮しようとすると甚だ拙劣醜悪なものを見せることになるので...
野上豊一郎 「演出」
...角助は、醜悪な顔に、狡そうな笑みを浮かべて、「あんたに、頼みがあるんじゃ」「どんなこと?」「おれを、退(の)け者にせんでくれ」「角さんを、誰も退け者にしやせん...
火野葦平 「花と龍」
...近作二三醜悪なれども近況を申あぐるためうつさせ候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...だが出雲の焼物の中でこの「出雲焼」ほど醜悪な貧弱なものはない...
柳宗悦 「雲石紀行」
...彼女たちは醜悪な軟躰動物のようで...
山本周五郎 「青べか物語」
...彼の田虫が彼を幸運の絶頂から引き摺(ず)り落すべき醜悪な平民の体臭を...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...それは血のない醜悪な幼虫のたぐいで...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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