...弱さは真に醜さだ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...足が妙な風にひッついてゐる醜さを...
添田唖蝉坊 「乞はない乞食」
...美醜さまざまの想念が...
太宰治 「女の決闘」
...自分の醜さを、捨てずに育てて行くより他は、無いと思った...
太宰治 「佐渡」
...酒に対する私の態度は何といふ醜さぞ...
種田山頭火 「旅日記」
...きょうのような日に見るとその醜さがさらに強められる...
寺田寅彦 「写生紀行」
...さすがにその場へ打倒れる醜さを嫌(きら)い...
中里介山 「大菩薩峠」
...「それは心得た、きっと届けてやる、安心するが宜い」「そして一刻も早くこの山を脱(ぬ)け出して下さい、あなたに万一の事があっては」「それも心得ている、――が、気を確かに持て、お役目が済めば、お前を江戸へつれて行ってやる、――加州領へ入ってから、いやな事ばかりだったが、お通さん、――お前に逢ってからは、この私も生甲斐(いきがい)があるように思った」「有難う清作さん、――この私を、一度はあの、悪党の鶴次郎と夫婦約束までした女と知っても――」「なんの、それしきの事、二十何年も山の中に住めば、狐も猿も恋しくなる、それが人情だ、――尤も江戸の真ん中から来たこの私の眼にも、お前はこの上もなく美しく、なつかしく映った、――これは山の中に住んだせいではない」「こんな顔でも」「お前の顔――私は右半分しか見ないが、その右半分の美しさは、此の世のものとも思われない」「左半分の恐しさ、醜さを、あなたは――」「俺は知らない、お前を介抱して居る時も、お前が気を喪(うしな)って居る時も、左半分は見なかったが」「では、私が死んでも見ないで下さい」「見ない、金輪際見ない」「嬉しい、清作さん、――私は死んでも本望」「いや死んではならぬ」二人は犇(ひし)と手を取り合って居りました...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...醜さのかぎりを探りだします...
長谷川時雨 「鏡二題」
...一さいを掌握してゐた醜さが見取られた...
室生犀星 「渚」
...何よりもその本来の醜さを思い知らせなければならない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...もし彼の醜さが、その後他の人々に軽蔑とか憎悪とかいう罪を犯させるもとになるならば一体どうするつもりか? また世間の人を、そのような稀な行いの栄光を羨んだり・この気分を何か突拍子もない野心かなんかのように曲解してそれをけなしたり・するような罪に、おとし入れるようなことになったらどうする? いったい不徳が働こうにもどうしても働く機会が見出せないというような、そんな姿かたちが果してあるものだろうか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あの一目見て感ずる・主として顔つきの上に宿る・そしてしばしばきわめて小さな原因から我々に嫌悪を催させる・不釣合をも醜さと呼ぶ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...近代機械工藝の醜さは...
柳宗悦 「工藝の道」
...また醜さを酵(かも)した事情について...
柳宗悦 「工藝の道」
...そうしてその醜さからいかなる幸福を社会が得たか...
柳宗悦 「工藝の道」
...なまなましい醜さがやりきれなかった...
山川方夫 「その一年」
...今初めて平民の醜さを眼前に見たのである...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
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