...私は自分の醜さを恥じながらその側を通った...
有島武郎 「フランセスの顔」
...それは世の醜さを知り初(そ)めぬ...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...そうした醜さを恬然(てんぜん)としてさらけ出しているような横顔だった...
高見順 「如何なる星の下に」
...この畸形的な鶴の醜さに顏をそむける許りである...
太宰治 「猿面冠者」
...きょうのような日に見るとその醜さがさらに強められる...
寺田寅彦 「写生紀行」
...薄暗さと醜さとわびしさ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...世の常の醜女に見るような間の抜けた醜さではなくて...
中里介山 「大菩薩峠」
...この男の醜さと膿(うみ)の臭(くさ)さとが悟浄に生理的な反撥(はんぱつ)を与えた...
中島敦 「悟浄出世」
...」悟浄の醜さを憐(あわ)れむような眼(め)つきをしながら...
中島敦 「悟浄出世」
...今晩にもこの俺の女房になる気はないかえ」しな垂(だ)れかかる四十男の醜さ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...醜さのかぎりを探りだします...
長谷川時雨 「鏡二題」
...アリストテレスを読む者よりもよくこの激情の醜さを悟り...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(私は今の雑器の醜さを忘れているのではない...
柳宗悦 「工藝の道」
...むしろ醜さを選ぶようにさえ見える...
柳宗悦 「工藝の道」
...つまりはあんまり自分のいつの間にか成長して来た年齢の醜さが逆に鮮かに浮んで来てその自身の姿に打たれるからだ...
横光利一 「機械」
...反動時代の醜さと怖ろしさを思ひ我々プロレタリアの階級によい指導者の要ることを思つてみた...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...武蔵は、彼のその姿に、(四ツか、五ツの頃から見ているが、こんな純情な男とは思わなかった――)と、心のうちで、その必死な言に打たれると共に、(おのれの醜さ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...天上の永遠の美しさと、人間の醜さ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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