...魂が醗酵し苦悶して内界に何等かの建設を試みる時...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...彼にはその醗酵に自然の經過を與へる爲に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...無意識の中に行はれたる久しき準備と醗酵とが...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...まさに醗酵してふくれ上らんとしつつあるかのように見えた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...それは醗酵させない葡萄液である...
種田山頭火 「其中日記」
...かかる微細な感情の集積せられ化合せられるところから何時(いつ)となく醗酵する「時代」の空気...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...社会的情熱の坩堝のなかに新しい活力が数多く醗酵しつつあるとともに...
戸坂潤 「読書法」
...漸次に其の醗酵力の消滅するを待つのみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...或る一つの考えが頭の中で徐々に醗酵して...
中谷宇吉郎 「神仙道と科学」
...この苦(にが)い酒を醸(かも)す醗酵分子(はっこうぶんし)となって...
夏目漱石 「明暗」
...そのわけが分明(はっきり)としないものが醗酵(はっこう)しかけてくるのだ...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...この緊張裡に彼の微細な推理力は醗酵するらしい...
平林初之輔 「ホオムズの探偵法」
...獣類が蓄えた果物もしくは食べ残しが瀦(たま)って旨(うま)く醗酵するはあり得る事だ...
南方熊楠 「十二支考」
...八時間の後温(あったか)い処から出してみるとプツプツと盛(さかん)に醗酵していますからその中へメリケン粉二斤を加えてよく混(ま)ぜると饂飩(うどん)の少し柔い位なものが出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...豆類の如きは醗酵性食物にして胃の悪き物は醗酵を促す...
村井弦斎 「食道楽」
...醗酵させて固めたものを「藍玉(あいだま)」と呼び...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...これでもかこれでもかと蠱惑(こわく)な匂いをむしむしと醗酵(はっこう)させながら...
吉川英治 「剣難女難」
...そこには想像外な性社会の醗酵(はっこう)が都の夜の底をびらんさせていたのではあるまいか...
吉川英治 「私本太平記」
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