...身体がジクジクと発酵(はっこう)してきそうだ...
海野十三 「蠅」
...生命の不安が言葉を醗酵させてゐるのぢやないのですか...
太宰治 「お伽草紙」
...醗酵(はっこう)したように籠(こも)っている...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...「醗酵(はっこう)しない真の葡萄汁(ぶどうしる)です」と男が註を入れた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...兼(かね)て醗酵(はっこう)したる液体が一度(ひとた)び外気に接して沸騰するが如く...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...粉に酵母(もと)を交ぜて捏ねることを女中のルケリアに教へてゐると...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...どうやら頭の中で大分醗酵(はっこう)して来たようだ...
中島敦 「光と風と夢」
...神変怪異の思想に異常醗酵をしたのである...
中谷宇吉郎 「古代東洋への郷愁」
...自然と内に醗酵(はっこう)して醸(かも)された礼式でないから取ってつけたようではなはだ見苦しい...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...争って奴隷たらんとするものに何らの理想が脳裏(のうり)に醗酵(はっこう)し得る道理があろう...
夏目漱石 「野分」
...獣類が蓄えた果物もしくは食べ残しが瀦(たま)って旨(うま)く醗酵するはあり得る事だ...
南方熊楠 「十二支考」
...(c)酒を醗酵させるとは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...日本が自ら酵(かも)した擾乱(じょうらん)に対しては...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...瓶の中で醗酵させたものといふから今の普通の製法とはちがひ...
柳田國男 「食料名彙」
...多分眼に見えぬ優良なる酵母があって...
柳田国男 「木綿以前の事」
...すなわちこの最も貴重なる酵母(こうぼ)は...
柳田国男 「木綿以前の事」
...猛烈に腐敗した食餌の落零(おちこぼ)れの発酵瓦斯(がす)で...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...繊細な神経作用の戦慄情緒の醗酵にわれわれは屡々複雑した感覚を触発される...
横光利一 「新感覚論」
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