...酔余(すいよ)の興にその家の色黒く痩(や)せこけた無学の下婢(かひ)をこの魚容に押しつけ...
太宰治 「竹青」
...――“天龍のぼれば”小唄二つ三つ天龍のぼればのぼれば逢ひたい若葉がせまる若葉がせまる(酔余の一ふし二ふし)おれのこころは天龍の水よわがまゝきまゝ流れてゆかう下る筏に上る帆...
種田山頭火 「旅日記」
...酔余の、引きのばしたような、半ば意味のない、薄笑いがにやりとその顔にひろがった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...また酔余の論議なので私は充分に記憶していない...
豊島与志雄 「或る夜の武田麟太郎」
...その酔余の冗言を言葉通りに写せば長くなるから...
豊島与志雄 「逢魔の刻」
...深夜の酔余の彷徨の帰りには...
豊島与志雄 「オランウータン」
...酔余の戯れに婦女子などに云いかける言葉で...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...酔余の幻覚かも知れないが...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...酔余の競争が始まった...
豊島与志雄 「霧の中」
...酔余のいたずら、でもないし、真面目な意図、でもないし、何が何やら分らないながらも、へんに俺は心が暗かった...
豊島与志雄 「どぶろく幻想」
...近頃四谷に移住(うつりす)みてよりはふと東坡(とうば)が酔余の手跡(しゅせき)を見その飄逸(ひょういつ)豪邁(ごうまい)の筆勢を憬慕(けいぼ)し法帖(ほうじょう)多く購求(あがないもと)めて手習(てならい)致しける故唐人(とうじん)が行草(ぎょうそう)の書体訳もなく読得(よみえ)しなり...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...事件とは酔余皇帝が愛妾の松谷鶴子を窓から投げ落して殺害し...
久生十蘭 「魔都」
...ヤイ夢声と酔余しばしば呼び合つてゐたことも珍しからぬ彼が...
正岡容 「東京万花鏡」
...酔余の放尿をした...
正岡容 「落語家温泉録」
...椒酒酔余逢客至...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...さような酔余のお言葉から...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...酔余達筆を揮って同人新宅の襖などへ盛んに描いたものだ...
山本笑月 「明治世相百話」
...酔余の洒落文(しゃれぶみ)...
吉川英治 「私本太平記」
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