...酔余(すいよ)の興にその家の色黒く痩(や)せこけた無学の下婢(かひ)をこの魚容に押しつけ...
太宰治 「竹青」
...・熟柿の話・酔余録十月十一日曇――雨...
種田山頭火 「其中日記」
...酔余の、引きのばしたような、半ば意味のない、薄笑いがにやりとその顔にひろがった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...また酔余の論議なので私は充分に記憶していない...
豊島与志雄 「或る夜の武田麟太郎」
...深夜の酔余の彷徨の帰りには...
豊島与志雄 「オランウータン」
...酔余の戯れに婦女子などに云いかける言葉で...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...酔余の幻覚かも知れないが...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...酔余の饒舌のうちに...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...」と崔之庚は酔余の上機嫌でいったことがありました...
豊島与志雄 「碑文」
...酔余の放言のようでもあり...
豊島与志雄 「紫の壜」
...酔余、愛妾の松谷鶴子を窓から投げ落して殺害したのである...
久生十蘭 「魔都」
...酔余の果ての過失として...
火野葦平 「花と龍」
...ヤイ夢声と酔余しばしば呼び合つてゐたことも珍しからぬ彼が...
正岡容 「東京万花鏡」
...彼については他日小説に書きたいのでここではあまり言及しないが、そののち一年、またまた居を移した杉並の私の家へ同居を強要し、酔余、槍の切尖を振り廻したのでついに杉並署へ連行され、昭和九年一月警察署の表で袂を分かったまま、翌夏、一度市川の映画館で武蔵、伯猿、それに故伯龍の珍しい顔触れで「屋代騒動」の後半を聴くこと間もなく酔中、急死してしまった...
正岡容 「わが寄席青春録」
...ウームと両手を展(の)ばして漸(ようや)く我に還(かえ)りたる酔余の客妻君の顔を見て面目無気(めんもくなげ)に起き直り「どうもこれはとんだ御厄介(ごやっかい)をかけましたね...
村井弦斎 「食道楽」
...さような酔余のお言葉から...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...酔余達筆を揮って同人新宅の襖などへ盛んに描いたものだ...
山本笑月 「明治世相百話」
...酔余の洒落文(しゃれぶみ)...
吉川英治 「私本太平記」
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