...それは横井君のお父さんがまだ壮(わか)い比(ころ)、酒興のうえで、一匹の黒猫を刺し殺したことがあったが、それからと云うものは、横井君の家には、何か不幸なことでもあると、きっと黒猫が姿をあらわした...
田中貢太郎 「屋根の上の黒猫」
...芹沢が早く席を切り上げて帰ったのも珍らしいが、今宵は非常に機嫌がよくて、お梅を相手に飲み直していると、平間重助はその馴染(なじみ)なる輪違(わちがい)の糸里という遊女、平山五郎は桔梗屋(ききょうや)の小栄というのをつれ込んで、この三組の男女は、誰憚らぬ酒興中、芹沢は得意げに言うことには、「いよいよ拙者の天下である、明日になって見ろ、わかることがある」こう言って、芹沢はお梅に酌をさせて頻(しき)りに飲んだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...酒興ようやく酣(たけな)わなるの時でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...オレニ昨日ハ酒興ノ上無礼ノ段々恐レ入ッタリ...
中里介山 「大菩薩峠」
...――酒興を妨げては悪いからね...
牧野信一 「鏡地獄」
...何時もの僕達の単なる酒興の戯れかとばかり思つて...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...」水夫の切ない動作を酒興の戯れかと思ひ違へた校長は...
牧野信一 「山彦の街」
...いくらでもにぎわそうぞ」酒興は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ようやくに心づきごまかしかたがた酒興に乗じ...
三宅花圃 「藪の鶯」
...饗宴(きょうえん)に善美をつくし酒興遊楽に耽(ふけ)ること...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...お客様の御酒興を殺(そ)ぐしな」着物の紙ぼこりをたたき...
吉川英治 「江戸三国志」
...ご酒興にこれをごらんくだされい」と...
吉川英治 「私本太平記」
...酒興のうえとはいえ...
吉川英治 「新書太閤記」
...酒興ですむような...
吉川英治 「新書太閤記」
...灯は闌(た)けて酒興も酣(たけなわ)に入ると...
吉川英治 「新・水滸伝」
...まったく一時の酒興の言葉としかしていない...
吉川英治 「平の将門」
...人々がやや怪訝(けげん)を抱きかけていた頃――また酒興もいよいよ半酣(はんかん)という頃...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...涼しゅうご酒興をと...
吉川英治 「源頼朝」
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