...そこらの果樹の高い梢の上に心を配り...
薄田泣菫 「独楽園」
...神経的にきょときょと左右に気を配りながら歩いて行った...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...後ろの方に気を配りつゝ急にひそ/\声になつて...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...用達しの往来にはあちこちに眼を配りました...
豊島与志雄 「水甕」
...渋い茶を配りながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...岡つ引の家へ初七日の配り物をさせて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「今此處へお瀧が入つたやうだが――」うさんな眼を店中に配りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...槍は「名誉の腕前」と本人の宣伝ですが、どの程度の名誉かは誰も知らず、眼の配り、身のこなし、修業の苦心談など、折々に漏らす言葉の端々から、然るべき男ではあろうと、誰でも一応は推して居りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...毛の多い、豊滿な肉躰で、何處かに押し隱した媚(なま)めかしさがあり、眼の配り、さゝやかな微笑、身のこなし、言葉の匂ひなどから、容易ならぬ聰明さを感じさせる女でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...きれ物とては鋏刀(はさみ)一挺目にかゝらぬやうとの心配りも...
樋口一葉 「うつせみ」
...隣近処に牡丹(ぼた)もち団子と配り歩く中を...
樋口一葉 「にごりえ」
...窓から飛びこんでくる蜂や虻(あぶ)などに気を配り出した...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...機転と気配りが足らなかったのかもしれない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...車やさんと植市とが使あるきとお葬いの手配りをしてくれた...
室生犀星 「童子」
...イヨイヨそれと目星を附けて水も洩らさねえように手配りをきめた二十人ばかりのプレーグの配下(てした)が...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...高取焼大手水鉢の配りなぞ...
夢野久作 「名君忠之」
...私が八方に眼を配りながら...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...ようやく四冊だけ配り終った時...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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