...その都度(つど)神職(しんしょく)を招(まね)いて鄭重(ていちょう)なお祭祀(まつり)をしてくださるのでした...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...婆さんは内儀さんが予期したやうに若しくはのぞんだやうに鄭重な...
伊藤野枝 「白痴の母」
...その文面はすこぶる鄭重(ていちょう)を極めたもので...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...そしてよほど鄭重(ていちょう)に取り扱っているのだろう...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...乃(すなわ)ち鄭子(ていし)が九尾の狐に逢いて愛憐するが如くなるを致す...
田中貢太郎 「牡丹燈記」
...橋寺は直ぐ鄭重(ていちょう)な返事を寄越した...
谷崎潤一郎 「細雪」
...鄭延平の挙を慕うの意を寓(ぐう)したるに非ずや...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...しかし鄭樵の議論には...
内藤湖南 「支那目録學」
...遺体は鄭重に葬られていたが...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...「この間比田(ひだ)の所をちょっと訪ねて見ました」島田の言葉遣はこの前と同じように鄭重(ていちょう)であった...
夏目漱石 「道草」
...今さら云ったって始まらない事だから」叔母は先刻(さっき)火熨斗(ひのし)をかけた紅絹(もみ)の片(きれ)を鄭寧(ていねい)に重ねて...
夏目漱石 「明暗」
...スレンの谷の墓塋から掘りだしてベレルフォン号で鄭重に送り届けた...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...宿はどのように鄭重にしてくれましても何処となし落着のないものでございます……」子爵夫人は...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...田を隔てた向うの道からでも鄭重(ていちょう)に挨拶するし...
山本周五郎 「菊千代抄」
...娘も周章てたらしく顔を赧らめて鄭重に会釈をすると...
横光利一 「馬車」
...一層鄭重なわけだと考へてでもゐるらしかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...からみ合ったかと思うとたちまち鄭文のために返討(かえりう)ちにされていた...
吉川英治 「三国志」
...時服(じふく)、黄金など与えて、鄭重に、領外へ送り出すがよい」「は...
吉川英治 「新書太閤記」
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