...事件が多くは江戸あるいは江戸人に親しみのある近国で発展したのが少なくも中央都人士(とじんし)の興味を湧かさした原因の一つである...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...都人士の口はすでに一と昔も否もっと以前から舶来品の最上等を味わっていた...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...かれは用水縁(ようすゐべり)の路にその都人士らしい姿を見せつゝ寺の方へとやつて来た...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...「たぬきの舞踊」の詩には現代の若い都人士などには想像することさえ困難であろうと思われるような古い古い「民族的記憶」といったようなものが含まれているような気がする...
寺田寅彦 「自由画稿」
...武蔵野の土の産物みゝずのたはこと武蔵野の霜の中から抜け出した白い大根や紅い甘藷が盛んに都人士の口に入る季節となりました...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...此(かく)の如く江戸名所を課題とせる狂歌の流行は江戸名所の風景に対する都人士(とじんし)の愛好心を増進せしむると共に...
永井荷風 「江戸芸術論」
...江戸の都人士(とじんし)が遍(あまね)く名高い松として眺め賞したるものを挙ぐれば小名木川(おなぎがわ)の五本松...
永井荷風 「日和下駄」
...しかし大正の都人士に対しては石碑の文の如きは全く顧る所とならなかった...
永井荷風 「向嶋」
...至極物分りのいい邯鄲の都人士は直ぐに合點した...
中島敦 「名人傳」
...至極(しごく)物分(ものわか)りのいい邯鄲の都人士はすぐに合点(がてん)した...
中島敦 「名人伝」
...それこそ実に都人士に見せたいものであるが...
平野長蔵 「尾瀬沼の四季」
...などと言つて一般に新聞の論説を読まぬが都人士の風になつて居るのも...
正岡子規 「病牀六尺」
...都人士のみではないわれわれ一千米の海抜の高原で仕事をして居るものも...
正木不如丘 「健康を釣る」
...湯屋などで都人士が...
正宗白鳥 「水不足」
...都人士が呼ばぬところを見ると...
柳田國男 「地名の研究」
...洛陽の都人士の軽薄を...
吉川英治 「三国志」
...都人士(とじんし)の宴席に興じられ...
吉川英治 「私本太平記」
...なまなか闕下(けっか)の恩寵(おんちょう)に狎(な)れている都人士などよりも...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索