...邪慳(じゃけん)に犬を足蹴(あしげ)にした...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...さうして又その鎖の端を邪慳にぐいと引きましたからたまりません...
芥川龍之介 「地獄變」
...美人の小腕(こがいな)を邪慳(じゃけん)に掴(つか)みて...
泉鏡花 「活人形」
...彼は邪慳(じやけん)に唸つた...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...」そんな邪慳な言葉を省三はまだ一度も女から聞いたことはなかつた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...信一が邪慳(じゃけん)に襟頸を捕えて...
谷崎潤一郎 「少年」
...いま出発を前にして、もう窓からでさえその姿を見ることはあるまいと思うにつけ、邪慳で冷淡で、横柄な蔑(さげす)みのうす笑いを浮かべて受け答えをする女であるにせよ、やっぱり彼女が蠱惑的に見え、誇らしく思われ、この女から別れて行くことは私には怖ろしい、とてもできないと自覚するのだった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...自分の声が恐ろしく邪慳(じゃけん)に自分の耳に響いた...
寺田寅彦 「病中記」
...その様子は彼女の邪慳(じゃけん)な様子よりもなおいっそう嫌味(いやみ)なものであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...高部も肩を捕(つか)まえながら邪慳(じゃけん)に歩いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...邪慳(じゃけん)に長い顔をしゃくりました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...邪慳(じゃけん)にされる所へ...
羽志主水 「越後獅子」
...貴方があんまり私を邪慳にするので...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...はじめの中(うち)は何(なに)か串談(じようだん)に態(わざ)とらしく邪慳(じやけん)に遊(あそ)ばすのと思(おも)ふて居(を)りましたけれど...
樋口一葉 「十三夜」
...これほど邪慳の人ではなかりしをと女房あきれて...
樋口一葉 「にごりえ」
...冷淡邪慳に扱った...
久生十蘭 「湖畔」
...邪慳(じゃけん)で親を親臭いとも思ッていないから悪(にく)くッて成りゃアしません」ト眼を細くして娘の方を顧視(みかえ)る...
二葉亭四迷 「浮雲」
...轡(くつわ)をとると邪慳(じゃけん)に馬の首を引っ張って位置をなおした...
水野葉舟 「黄昏」
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