...邪慳(じゃけん)にお敏を見下しながら...
芥川龍之介 「妖婆」
...自分の娘をごまかそうとするらしい父が邪慳(じゃけん)の鬼のようにも思えた...
有島武郎 「星座」
...邪慳(じゃけん)な姑(しゅうとめ)にいびられる嫁か...
泉鏡花 「活人形」
...美人の小腕(こがいな)を邪慳(じゃけん)に掴(つか)みて...
泉鏡花 「活人形」
...若旦那がそんなに邪慳にするなら」広巳はちょっと好奇心が起ったが...
田中貢太郎 「春心」
...その様子は彼女の邪慳(じゃけん)な様子よりもなおいっそう嫌味(いやみ)なものであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...貪慾邪慳(どんよくじやけん)かぎりもなくよからぬわざのみ働く故...
中里介山 「大菩薩峠」
...何もそれ以上に邪慳だといふのでもなく...
中原中也 「家族」
...先生の態度の邪慳(じやけん)さがみんなの反抗心を強めた...
南部修太郎 「猫又先生」
...自分等の一族のみこの大天災を逃れようとするのはいささか他に対して邪慳(じゃけん)な振舞いでは無かろうか...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...大膳正の頭は邪慳に動きます...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...貴方があんまり私を邪慳にするので...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...これほど邪慳(じやけん)の人ではなかりしをと女房あきれて...
樋口一葉 「にごりえ」
...深志と駒三郎は心の奥に邪慳な企図をひそめている...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...起上(たちあが)ッて邪慳(じゃけん)に障子を〆(しめ)切り...
二葉亭四迷 「浮雲」
...厭(いや)……」私はおばあさんが私の傍で小さなアルミニウムのお弁当箱をあけようとするのを邪慳(じゃけん)に遮(さえぎ)った...
堀辰雄 「幼年時代」
...眼は邪慳(じゃけん)に光り...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...あなた(と背中の幼児を邪慳にゆり動かして寝顔を肩ごしに覗き込む...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
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