...林泉幽邃の地に読むのとではおのづから異なる味がある...
市島春城 「読書八境」
...この湖長さ十四五町、幅三四町、大尻、丸の二湖に比して、更に大に、更に幽邃也...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...とびはなれて幽邃をきはむる處也...
大町桂月 「妙義山の五日」
...幽邃(ゆうすい)な周囲の山々や...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...幽邃(ゆうすい)な金門公園を抜(ぬ)けて...
田中英光 「オリンポスの果実」
...夏の晩はどんな幽邃(ゆうすい)な避暑地へ逃れても...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...その庭の幽邃(ゆうすい)なのに感心した...
田山録弥 「大阪で」
...園林幽邃...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...紫陽花(あじさい)のような幽邃(ゆうすい)な調子があって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さうしてこの幽邃な世界のうへに夜(よる)は青じろい月の光がてらしてゐる月の光は前栽の植込からしつとりとながれこむ...
萩原朔太郎 「青猫」
...その最も幽邃深玄を極むる者と雖も尚詩形を借りたる論文に外ならず...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...郵便と云へば一週間に一度の配達より他は享けぬといふ幽邃境であつたから...
牧野信一 「バラルダ物語」
...幽邃深静(ゆうすいしんせい)を好んで繁華熱鬧(はんかねっとう)を厭(いと)ふは普通詩人たるものの感情なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...幽邃(ゆうすい)...
松濤明 「山想う心」
...これは幽邃(ゆうすい)であることを主にしてあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...われ豈逍遙子が如きシエクスピイヤに邃(おくぶか)き人に向ひてことあたらしく教ふべきことあらむや...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...幽邃(ゆうすい)な庭も...
吉川英治 「私本太平記」
...鳥居はその幽邃(ゆうすい)な白鳥神社(しらとりじんじゃ)奥(おく)の院(いん)の印(しるし)で...
吉川英治 「神州天馬侠」
便利!手書き漢字入力検索