...別天地の幽邃(ゆうすい)に対した...
伊藤左千夫 「春の潮」
...とびはなれて幽邃をきはむる處也...
大町桂月 「妙義山の五日」
...木立高くして、ます/\幽邃也...
大町桂月 「妙義山の五日」
...これが幽邃の極といふのかも知れないが...
太宰治 「お伽草紙」
...河の流れをたどって行く鉛筆の尖端が平野から次第に谿谷(けいこく)を遡上(さかのぼ)って行くに随って温泉にぶつかり滝に行当りしているうちに幽邃(ゆうすい)な自然の幻影がおのずから眼前に展開されて行く...
寺田寅彦 「夏」
...幽邃な天然林の中の山道だ...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...市中今尚かくの如き幽邃の地を存するは意外の喜びなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...私は実際今日の東京市中にかくも幽邃(ゆうすい)なる森林が残されていようとは夢にも思い及ばなかった...
永井荷風 「日和下駄」
...枯木がなかつたら檜原湖は唯幽邃な湖水であつたに違ひない...
長塚節 「鉛筆日抄」
...すこぶる幽邃(ゆうすい)な梵刹(ぼんせつ)です...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...郵便と云へば一週間に一度の配達より他は享けぬといふ幽邃境であつたから...
牧野信一 「バラルダ物語」
...數の知れぬ螢が飛んでゐるところは實に幽邃(ゆうえん)であつた...
三島霜川 「水郷」
...市中とは思われぬ幽邃(ゆうすい)気分...
山本笑月 「明治世相百話」
...山が浅いのと住僧の俗化とのために幽邃閑雅の趣に乏しい...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...幽邃な山中に忽ち其れに出会ふのは夢の中の景色のやうであつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...幽邃(ゆうすい)な別業であった...
吉川英治 「三国志」
...かくも幽邃(ゆうすい)な光線と深い冷気のうちに塵(ちり)もとめぬ神秘さをもった花とは違ったように思われた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そうしてそれを理論づけている世阿弥の芸論にはかなり深邃なものがある...
和辻哲郎 「鎖国」
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