...苦い顔をして遽々然(きよろきよろ)と歩いて来る事である...
石川啄木 「葬列」
...ふら/\と遽(には)かに思ひついたことなので...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...遽かに政治的孤兒となつた尾崎行雄君は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...正行房が遽(あわ)てて...
中里介山 「法然行伝」
...騷然として雨聲遽かに止む可きに非ず...
長塚節 「草津行」
...すると遽(にわ)かに頭上の葉がざわざわ揺れて...
原民喜 「死のなかの風景」
...それと知(し)れば俄(にはか)に肩(かた)すぼめられて見(み)る人(ひと)なければ遽(あはたゞ)しく片蔭(かたかげ)のある薄暗(うすくら)がりに車(くるま)も我(われ)も寄(よ)せて憩(いこ)ひつ...
樋口一葉 「別れ霜」
...急遽(きゅうきょ)高松へ移すことになったのだ...
山本周五郎 「新潮記」
...急遽門弟を招集して評議した結果...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...遽(にわか)に歩を早めて馳け出したとき...
横光利一 「日輪」
...直射する日光の下に遽かに炎威を感じながら...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...自分は急遽、荊州へかえると――認(したた)めてあった...
吉川英治 「三国志」
...(――急遽、来援を乞う)との早馬は、魏王宮中を大いに憂えさせた...
吉川英治 「三国志」
...遽(にわか)に式場を変更して...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...今更のように、彼等は、平治の乱や保元の頃の憶(おも)い出(で)を、新たに語りだして、二十年の歳月をふり顧(かえ)り、遽(にわか)に、世の中の変貌(へんぼう)に目をみはり出した...
吉川英治 「源頼朝」
...またそれがゆえに抱いていられる懐かしみや親しみを遽(にわか)に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...客のために今遽(にわ)かに焚いたのではなく...
吉川英治 「宮本武蔵」
...所長が呼んでますよ――」遽(あわた)だしくはいって来た助手の村尾健治が...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
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