...遽(には)かに産氣づいて生み落したのがお雪である...
石川啄木 「散文詩」
...急遽払下げの通告を村役場へよこしたものである...
犬田卯 「荒蕪地」
...彼れは遽かに之れに反對して終に保守黨と提携したり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...遽(にわ)かに拙者のまわりで...
中里介山 「大菩薩峠」
...御殿の中の空氣は遽(にはか)に緊張して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かうやつてかうすると言ひながら急遽(あわただ)しう七分三分に尻端折(しりはしをり)て...
樋口一葉 「たけくらべ」
...翌明治二十六年一月になって私の長女が東京で病死したので急遽私は上京した...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...遽(には)かに其(そ)の聲(こゑ)を落(おと)して云(い)ひました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...遽(あわただ)しき騒ぎに紛れ...
南方熊楠 「失うた帳面を記憶力で書き復した人」
...自分の仕事に沒頭したい熱情を遽に感じ始めた...
横光利一 「悲しみの代價」
...――たとえば、六波羅が高氏の叛旗(はんき)に大恐惶をおこし、急遽、そこの守りに、思いきった非常手段をとりつつあることなど、目に見えるようなのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...彼の麾下(きか)三千が、遽(にわ)かに、飯浦坂を去って、堀切から西の峰へ退き始めたことを、逸早く偵知(ていち)した羽柴方の大物見が、これを秀吉に報じたので、秀吉は、「それこそ、三左衛門(柴田勝政)よ...
吉川英治 「新書太閤記」
...事(こと)遽(にわ)かに...
吉川英治 「新書太閤記」
...では一刻も早く」と、戴宗はそれを携(たずさ)えて、山寨(さんさい)の一同に別れを告げ、また、後日の手筈をもしめし合せて、急遽、例の神行法の甲馬に跨(また)がり、江州の空へ帰って行った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...かくは遽(にわか)に...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...京都にある義経に対して、「急遽、出動せよ」と、兄頼朝の書状がとどいたのはこの際であった...
吉川英治 「源頼朝」
...そうして何時か黄昏(たそがれ)の迫った遽(あわただ)しい街に出ると...
蘭郁二郎 「孤独」
...と、遽(にわ)かに、前後して、鷓鴣は飛び出す...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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