...骨だけは石に似て永く遺るべき素質であるのに...
會津八一 「一片の石」
...胸の中には遺るに由なき悶(もだえ)を覺えき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...それで最も目立つ色彩をしていながら無事に敵の襲撃を免れて生き遺ることのできるような優秀な個体のみが自然淘汰の篩(ふるい)にかけられて選(よ)り残され...
寺田寅彦 「柿の種」
...漢書藝文志に遺る二劉の學の究明劉向の仕事をが相續したが...
内藤湖南 「支那目録學」
...箒(はうき)で掃(は)いたやうに物を引摺つた跡の遺るのを指さしました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今に遺る落首が一句...
野村胡堂 「礫心中」
...斯(かか)る不幸に際して跡に遺る婦人の年齢が四十五十にも達して...
福沢諭吉 「新女大学」
...その間をくぐって遺る価値あるもののみが遺ってゆく...
藤島武二 「画室の言葉」
...私は近頃この「永久に遺る」ということをしみじみ恐ろしいことだと考えている...
藤島武二 「画室の言葉」
...標本はみな遺愛品となって遺るに至ったが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...それこそ後世にも遺るツバキの一大名園となるであろう...
牧野富太郎 「植物記」
...伝統の封建的観念は死なずに遺るだろう...
山本周五郎 「新潮記」
...寧ろ害が遺るということを考えなくてはいけないんだ」困難であり苦しい...
山本周五郎 「新潮記」
...そしてこれまたそこからはなに一つとして遺るものはないのだ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...伝記として遺ることもないが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...後に遺る子も思わず...
吉川英治 「日本名婦伝」
...なお遺る幼児をいだき...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...心に邪(よこしま)があれば邪が――心に堕気(だき)があれば堕気が――匠気(しょうき)があればまた匠気のあとが蔽(おお)い隠しようもなく遺る...
吉川英治 「宮本武蔵」
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