...殺戮(さつりく)を何とも思わぬなどは一層小児と選ぶところはない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...その澎湃たる人道的精神の影響はトルストイやドストエフスキイにも及んでゐるではないか? 若し夫れ英語の普及してゐる為に英吉利文芸を軽視するに至つては石や砂の普及してゐる為に日本アルプスを軽視するのと選ぶ所はない...
芥川龍之介 「平田先生の翻訳」
...固より我等が師を選ぶは一層の冐險である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...装飾の目的に桶を選ぶとは変った思いつきであり...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...本艇はどんな航路を選ぶべきか...
海野十三 「火星探険」
...彼女はコオクを選ぶだろうとは...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...もし京都に家を持つとすれば何処を選ぶべきであろうかと尋ねるので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...大多數の客はバスを選ぶやうである...
寺田寅彦 「伊香保」
...金離れの良い出版屋を選ぶに越したことはあるまい...
戸坂潤 「社会時評」
...しかし餘り突飛なものを造る事は出來ないとも考へられるので最後の斷案を下す前に一應母親に相談すると「何れでも好きな方を選ぶがよい...
豊田喜一郎 「乘用車發表に際して」
...深川(ふかがは)小名木川(をなぎがは)より猿江裏(さるえうら)の如くあたりは全く工場地に変形し江戸名所の名残(なごり)も容易(たやす)くは尋ねられぬ程になつた処を選ぶ...
永井荷風 「水 附渡船」
...増収だけを目当てに不安定品種を選ぶからである...
中谷宇吉郎 「北海道開発に消えた八百億円」
...どちらかを選ぶことになりましてね...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...牛であろうと人間であろうと選ぶところはない...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...あの悪魔達の名称に就いては――デビルス・デイクシヨナリイといふ書物があるから是から引用して適当な称名を選ぶであらう...
牧野信一 「読書と生活」
...女は二人の男のどっちを選ぶか分かりはしない...
松本泰 「謎の街」
...だがこの櫃を選ぶにつれて私に異常な注意を惹起(じゃっき)せしめるものは...
柳宗悦 「工藝の道」
...その土地のもので季節の品を選ぶのが本筋なはずです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
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