...彼は己を遮るすべてを焼かずンば止まざる也...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...患者は相手の詞を遮るやうに云ひ足した...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「笑」
...風に向いたる白帆の外には一重(ひとえ)の遮るものもない...
泉鏡花 「海異記」
...遮るものとてもない曠野の中を...
田山録弥 「犬」
...まるで私から書類を遮るような恰好で立ちどまった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...彼はそれが新しい方法で空を見えぬように遮るのを知ったであろう...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...運命とゞめ遮るもイリオン城を崩すべし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...晴れた空が遮るものなく遠くまでひろがつてゐて...
永井荷風 「にぎり飯」
...然れども家は東南の崖に面勢(めんせい)し窓外遮るものなく臥して白雲の行くを看る...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...一番眼を遮るものは...
長岡半太郎 「大阪といふところ」
...面倒な日が西の林に落ちた時にやつと日光を遮る一日の役目を果した草木は快げに颯々と戰(そよ)ぎはじめる...
長塚節 「芋掘り」
...それを遮る立木も稀である...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...それを遮る警官にもはや理屈は不要である...
根岸正吉 「労働者大会」
...吹く風を遮るものも無いのに「畳が茹る」ほどの暑さです...
牧野信一 「〔婦人手紙範例文〕」
...「ま、待った、師匠」あわてて番頭、遮ると、「待って……まあ待ってったら圓太郎さん」「う、うっちゃっといておくんなせえ、いいえこんな……こんな盗人(ぬすっと)野郎...
正岡容 「小説 圓朝」
...人が好物を獲るを遮る...
南方熊楠 「十二支考」
...矢代は遮るように...
横光利一 「旅愁」
...彼の行手を遮ることはできない...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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