...西風がドウと吹いて、千里の夏草が皆靡(なび)く、抗ふ樹もなければ、遮る山もない、ト、風は野の涯に来て自ら死ぬ...
石川啄木 「菊池君」
...遮る樹立(こだち)の影もないのは...
泉鏡花 「霰ふる」
...遮るものが欲しそうに...
泉鏡花 「婦系図」
...又其の行手を遮る区切りにもぶつからずに...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...終に眼界を遮る線の上に小さな灰色の煙を見つける...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...眼の下には遮るものもなく...
心猿 「荷風翁の發句」
...一点心を遮る何物もありません...
上村松園 「あゝ二十年」
...歩く途上を遮るものははたして出てきた...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...いざとなると都会の娘に馴れた眼がいつもそれを遮るのだ...
田山録弥 「赤い鳥居」
...雲の動く空のはずれまで遮るものなくひろがっている...
永井荷風 「葛飾土産」
...一草の遮るもののないこの原始の山肌の上では...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...その姿はいつかは遮るものも隱すものもなくさながらに顯はにならねばならぬ...
波多野精一 「時と永遠」
...日々眼に遮るもの一として驚神の因たらざるはなく...
原勝郎 「貢院の春」
...吹く風を遮るものも無いのに「畳が茹る」ほどの暑さです...
牧野信一 「〔婦人手紙範例文〕」
...』私は遮るやうに彼をとめて...
水野仙子 「道」
...ここからは衣川の流れも北方の山々も何の遮るものもなく一眸に見える...
村山俊太郎 「平泉紀行」
...」こう遮るように云って女は徐(しず)かに男の髪を撫(な)でた...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...彼の行手を遮ることはできない...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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