...この光、ただに身に添うばかりでなく、土に砕け、宙に飛んで、翠(みどり)の蝶(ちよう)の舞うばかり、目に遮るものは、臼(うす)も、桶(おけ)も、皆これ青貝摺(あおがいずり)の器(うつわ)に斉(ひとし)い...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...夢のごとく眼(まなこ)を遮る...
泉鏡花 「婦系図」
...それまでは島もなく目を遮るものとてもなかったが...
上村松園 「余齢初旅」
...一望遮るものもなく遥(はる)かの麓(ふもと)まで...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...寒気を遮るために...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...其前にヘーレー霧を敷き散らし路を遮る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...日の光を遮るほど鬱蒼と...
豊島与志雄 「香奠」
...生活そのものを吾々の眼から遮るものが...
豊島与志雄 「バラック居住者への言葉」
...雲の動く空のはずれまで遮るものなくひろがっている...
永井荷風 「葛飾土産」
...夜は忽ち暗黒の中に眺望を遮るのみか...
永井荷風 「放水路」
...一番眼を遮るものは...
長岡半太郎 「大阪といふところ」
...これは長時間太陽光線を遮るので...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...風を防ぎ遮る障子...
南方熊楠 「十二支考」
...ニムフエの詞を遮るやうに...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...何一つ眼を遮るものもないすべすべした崖にのぞんでは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...S=階下七五郎、遮る...
山中貞雄 「森の石松」
...新島は秀之進の水戸入りを遮るために跟けて来た...
山本周五郎 「新潮記」
...眼界を遮る蒼白い波頂となつて終つてゐるやうに見えた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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