...が、娘は遮るやうに、口早(くちばや)に言葉(ことば)を続けました...
芥川龍之介 「三つの指環」
...ゴロロボフは詞を遮るやうに云つた...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...この光、ただに身に添うばかりでなく、土に砕け、宙に飛んで、翠(みどり)の蝶(ちよう)の舞うばかり、目に遮るものは、臼(うす)も、桶(おけ)も、皆これ青貝摺(あおがいずり)の器(うつわ)に斉(ひとし)い...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...夜の冷気を遮る休息所だ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...遮るものとてもない曠野の中を...
田山録弥 「犬」
...手で遮るやうな挙動をした...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...日の光を遮るほど鬱蒼と...
豊島与志雄 「香奠」
...生活そのものを吾々の眼から遮るものが...
豊島与志雄 「バラック居住者への言葉」
...土地陰湿にして夏は蚊多く冬は湖上に東北の風を遮るものがないので寒気甚しくして殆ど住むに堪えないと云うことである...
永井荷風 「上野」
...目を遮るものは空のはずれを行く雲より外には何物もない...
永井荷風 「葛飾土産」
...然れども家は東南の崖に面勢(めんせい)し窓外遮るものなく臥して白雲の行くを看る...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...隣家の小楼はよく残暑の斜陽を遮ると雖(いえども)晩霞(ばんか)暮靄(ぼあい)の美は猶此を樹頭に眺むべし...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...みんなを遮るやうな眼付をしながら耕二に言ひ掛けた...
中原中也 「耕二のこと」
...それを遮る警官にもはや理屈は不要である...
根岸正吉 「労働者大会」
...その姿はいつかは遮るものも隱すものもなくさながらに顯はにならねばならぬ...
波多野精一 「時と永遠」
...僕の探してゐるものから僕の眼を遮る...
堀辰雄 「不器用な天使」
...眼界を遮る物のないような望楼をすぐ立てよう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...矢代は遮るように...
横光利一 「旅愁」
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