...眉をたゝき耳を打つ礫の如く目を遮るとばかりの隙に...
泉鏡花 「遺稿」
...遮るものは何にもない...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...夢のごとく眼(まなこ)を遮る...
泉鏡花 「婦系図」
...太陽の光を遮る程の大きな雲を形造つて空を飛んで行く...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...老人の亡骸を遮るようにして一団の人々が刑務所の高塀のように厳(いか)めしく立ち並んでいた...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...お父様も決してお前の行く手を遮ることはしない...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...西日を遮るための日蔽ひをぱたりと下した...
田山録弥 「浴室」
...彼等は日の光を遮る瓦斯である...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...生活そのものを吾々の眼から遮るものが...
豊島与志雄 「バラック居住者への言葉」
...白帆は余がために日覆の如く此日光を遮るのである...
長塚節 「佐渡が島」
...日光を遮るために布が覆うてある...
長塚節 「旅の日記」
...今は何の遮るものもなく...
原民喜 「氷花」
...吹く風を遮るものも無いのに「畳が茹る」ほどの暑さです...
牧野信一 「〔婦人手紙範例文〕」
...「ま、待った、師匠」あわてて番頭、遮ると、「待って……まあ待ってったら圓太郎さん」「う、うっちゃっといておくんなせえ、いいえこんな……こんな盗人(ぬすっと)野郎...
正岡容 「小説 圓朝」
...攫者(キャッチャー)の後方に張りて球を遮るべき網(高さ一間半...
正岡子規 「ベースボール」
...人が好物を獲るを遮る...
南方熊楠 「十二支考」
...新島は秀之進の水戸入りを遮るために跟けて来た...
山本周五郎 「新潮記」
...一望遮るもののない平原のその明るさに囲まれた中で...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索