...夢のごとく眼(まなこ)を遮る...
泉鏡花 「婦系図」
...又其の行手を遮る区切りにもぶつからずに...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...遮るもののない野面を渡る風雨の中では...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...まるで私から書類を遮るような恰好で立ちどまった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...彼女は書類を載せた机を私から遮るような元の姿勢で立っていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...彼はそれが新しい方法で空を見えぬように遮るのを知ったであろう...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...然れども家は東南の崖に面勢(めんせい)し窓外遮るものなく臥して白雲の行くを看る...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...二十年の今日既に来青(らいせい)閣(かく)の檐辺(えんぺん)に達して秋暑の夕よく斜陽の窓を射るを遮るに至れり...
永井荷風 「来青花」
...それを遮る警官にもはや理屈は不要である...
根岸正吉 「労働者大会」
...眼を遮る物もない綾瀬の河岸(かし)っ縁に...
野村胡堂 「十字架観音」
...そしてそれを遮るようにと天に祈りを上げなかつたので――掌(て)を合せもしなければ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...風いわく山はわれを遮るから強い...
南方熊楠 「十二支考」
...人が好物を獲るを遮る...
南方熊楠 「十二支考」
...S=階下七五郎、遮る...
山中貞雄 「森の石松」
...自分の思考を遮るものにぶっつかっていたのだ...
山本周五郎 「新潮記」
...元気な曹長の頑張るのを徳永大尉が、まあよせと遮る...
山本笑月 「明治世相百話」
...矢代は遮るように...
横光利一 「旅愁」
...彼の行手を遮ることはできない...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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