...東京美術展覧会に昔出品された〈西行法師〉の図は墨絵の考案になったもので応挙を遥かに越えたものだと今でも浮かんで出て来ます……...
上村松園 「栖鳳先生を憶う」
...遥かに目をやると西北の方に一つの道があって...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「連城」
...どこか遥かに高い処から落ちている滝が微かに光って...
小泉八雲 田部隆次訳 「ろくろ首」
...小次郎と武蔵の立合なんかより遥かに余裕あって勢源は勝った...
直木三十五 「巌流島」
...格が遥かに上の者までも...
直木三十五 「南国太平記」
...氷山だって水面下に隠れた部分の方が遥かに大きいのだ...
中島敦 「光と風と夢」
...彼女は疑り深い雌猫なんかより遥かに疑り深い人間だったのだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...どうやら父の感情よりは遥かに悠然たる慈しみに充ちてゐるのが明らかだつた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...その風采(ふうさい)なども一目見ると予(かね)て想像して居つたよりは遥かに品の善い...
正岡子規 「病牀六尺」
...しかもこの増加が右の二つの時期の出生率で示されているよりも遥かに少いということは...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...遥かに見本よりも美しくなっているであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...今度集めた論文の中には空想を遥かに遠く...
柳田国男 「海上の道」
...今よりも遥かに豊かだったと思われる...
柳田国男 「海上の道」
...僧たちが遥かにひざまずくと...
吉川英治 「新書太閤記」
...また、ことに女性(にょしょう)の檀徒はというと、今までの旧教の経典は、とかく女人(にょにん)を悪魔視していたが、念仏門には、女人のためにも、差別なく、救いの扉をひらかれたものとして、鎌倉の将軍家実朝(さねとも)の母の政子が、遥かに、信仰をよせている他(ほか)、越前三位の妻小宰相(こざいしょう)、資賢(すけかた)の娘玉琴(たまこと)、信実(のぶざね)の伯母人(おばびと)、三条の小川侍従(じじゅう)の姫、花園准后(じゅんごう)の侍女三河の局(つぼね)、伊豆の走り湯の妙真尼など、ここにも旧教に眺められない特色があった...
吉川英治 「親鸞」
...その後を継いだものは遥かにより良い制度ではなかった...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...すなわち遥かに最も重要な階級...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...汽車は既によほどの高処を走つて居るらしくその白い瀬は草木の茂つた山腹を越えて遥かに下に瞰下(みおろ)されるのである...
若山牧水 「渓をおもふ」
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