...その時分でも押川春浪氏の冒険小説や何かよりもこの「水滸伝」だの「西遊記」だのといふ方が遥かに僕に面白かつた...
芥川龍之介 「愛読書の印象」
...遥か下まで下りきると...
板倉勝宣 「山と雪の日記」
...遥かに三友を望みし時...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...多くの人が行李(こうり)を抱いて一度郷里に帰り去って後も我らはなお暫く留まって京洛の天地に逍遥(さまよ)うていた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...皆は不審に思って立止まると同時に遥か前面の戦線にあたって「ワァッ」という突撃らしい喚声が...
徳永直 「戦争雑記」
...遥々(はるばる)かけた呼出しに応じないというはずはありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼女は自分より遥(はるか)に豊富な知識をもっていた...
夏目漱石 「行人」
...土竜(もぐら)のごとく働いている教師より遥(はる)かに結構である...
夏目漱石 「作物の批評」
...長さ二百米以上はたしかにあると思われる長方形のグラウンドが遥かの谷底に横たわっているのだから...
野上豊一郎 「パラティーノ」
...ともすればどんな決闘よりも遥かに辛いものである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...遥かの音楽に聴き惚れてゐる者の通りな吾を忘れた風情であつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...もう遥の山々は空との境もなく深い宵暗(やみ)に閉ざされてゐるので――沼の観であつた...
牧野信一 「水車小屋の日誌」
...そこでローラが滝本の肩に凭りかゝつて青空に眼を挙げながら、何か歌ひ出さうとした時、一同は、遥かの後ろから、声を限りに呼びかけて来る物音に気づいた...
牧野信一 「南風譜」
...しかし従属は遥かに大であった...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...眼も遥かな頭の上の峯々には朝日が桃色に映じていた...
夢野久作 「眼を開く」
...だがその二人が遥々(はるばる)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...遥かに望まれてきたのであったが...
吉川英治 「親鸞」
...その芝山の重なりの間に、遥かな末に、例の如く端然とほの白く聳えているのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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