...遥(はる)か間(ま)を隔てた襖(ふすま)の隅で...
泉鏡花 「悪獣篇」
...当時の文人や画家は今の小説家や美術家よりも遥(はる)かに利慾を超越していた...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...坪内逍遥の処女作『書生気質(しょせいかたぎ)』が発行されて文学士春廼舎朧(はるのやおぼろ)の名が俄(にわか)に隆々として高くなったのは...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...遥か下に友の陋態(ろうたい)を眺むるの余裕を抱いている...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...ふりかえると遥かの暗黒(あんこく)の空に...
海野十三 「月世界探険記」
...生活そのもののはたらきも遥かに多方面であり...
津田左右吉 「歴史とは何か」
...遥かなる過去の一時期に西は埃及(エジプト)から東は米大陸に至るまでの広汎(こうはん)な地域を蔽うた共通の「古代文明の存在」を仮定する...
中島敦 「環礁」
...遥かの谷底まで一度に暗くなった...
夏目漱石 「永日小品」
...――少しばかりの恩給でやって行くには京都の方が遥(はる)かに好いようだ」二三年前と違って...
夏目漱石 「虞美人草」
...そこに自分以外の意志が働いているという事実を認めなくてはなるまい」「認めている」私「そうしてその意志は君のよりも遥(はるか)に偉大じゃないか」「偉大かも知れない...
夏目漱石 「行人」
...魂は身体より遥に大なるものである...
新渡戸稲造 「自由の真髄」
...長さ二百米以上はたしかにあると思われる長方形のグラウンドが遥かの谷底に横たわっているのだから...
野上豊一郎 「パラティーノ」
...必死と狂う一色友衛を遥かの方に遠ざけながら続けました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...日本の現実を知ることの方が遥かに意義のある仕事だと言えよう...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...反乱と蜂起と同盟罷工の群集、一つが他を誘う雲霞のような進出、あらゆる雲々、大建築、橋、道路、停車場、一切の広場と十字街が宮殿が、彼等によって支持され動かされ、運ばれ、遥か彼方、未知の世紀の方に向って移動させられて行くように見える...
百田宗治 「騒擾の上に」
...遥かに隔たった精神病患者の世界に取り残されている……そうして折角(せっかく)その相手にめぐり合って縋り付こうとしても...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...遥かな夜霞の底に...
吉川英治 「源頼朝」
...後に残った者のほうが、戦(いくさ)に出て行った人々よりも、遥かに、大きな動悸を胸に抱いていた...
吉川英治 「源頼朝」
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