...彼女の着てゐるのは遠目に見ても緑いろのドレツスに違ひなかつた...
芥川龍之介 「歯車」
...そのくせ大通にあつては両側に櫛比(しっぴ)せる商戸金色燦爛(さんらん)として遠目には頗る立派なれど近く視(み)れば皆芝居の書割然(かきわりぜん)たる建物にて誠に安ツぽきものに候...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...残念ながら遠目にはそこまでは分らぬ...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...遠目にはあはれとも見つ栗の花梅雨(つゆ)といふ暗き頁(ページ)の暦かな六月十七日 発行所例会...
高浜虚子 「五百五十句」
...別荘(べっそう)の前の通りを行ったり来たりして――遠目に窓をのぞいてみた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...遠目によくは分らないが...
豊島与志雄 「待つ者」
...対岸の桟敷の婦人連を遠目に見て...
中里介山 「大菩薩峠」
...高く二階家の燈(ともしび)の光の射すのを遠目にながめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...件の怪物を遠目にながめ...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうも遠目にはっきりと見えないのをもどかしく思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...しばらくその菰かぶりの川渡りを遠目にながめていた轟の源松は...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠目に見かけると...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠目にも猛々しい体躯で...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...店じゅうで一番上等の猫の毛皮を――遠目にはてっきり貂皮(てん)と見まがえそうな猫の毛皮を買った...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...遠目にはてっきり男と見紛いそうで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それは何夫人のほうの車と遠目にも知れるほど華奢(かしゃ)が尽くされてあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...遠目には美しい色をしているが...
柳田國男 「食料名彙」
...遠目にも巨眼々(けいけい)...
吉川英治 「新・水滸伝」
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