...彼女の前髪や薄い黄色の夏衣裳(なついしょう)の川風に波を打っているのは遠目にも綺麗(きれい)に違いなかった...
芥川龍之介 「湖南の扇」
...遠目に見附けて太(いた)く驚き...
泉鏡花 「活人形」
...そのくせ大通にあつては両側に櫛比(しっぴ)せる商戸金色燦爛(さんらん)として遠目には頗る立派なれど近く視(み)れば皆芝居の書割然(かきわりぜん)たる建物にて誠に安ツぽきものに候...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...遠目には私に見える様に仕立てて...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...近文のアイヌ部落を遠目に見て...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...件の怪物を遠目にながめ...
中里介山 「大菩薩峠」
...退屈まぎれに事のなりゆきを遠目に眺め渡して...
中里介山 「大菩薩峠」
...先生は遠目にも乗っているのは女だという事にお気がおつきでした...
長谷川時雨 「大塚楠緒子」
...遠目にも逞しく見える筒袖姿の異人が六人ばかり乗組み...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...遠目にもなにかひどく乱脈な海岸のうしろの岩山は...
久生十蘭 「ノア」
...店じゅうで一番上等の猫の毛皮を――遠目にはてっきり貂皮(てん)と見まがえそうな猫の毛皮を買った...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...遠目にはてっきりサモワールが二つ窓に並んでいるとしか見えない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...遠目に見れば相互に憎からず...
福沢諭吉 「新女大学」
...悪沢の登り――遠目にはなかなか凄かったが...
松濤明 「春の遠山入り」
...遠目にするとそれが淡紅に見えてしまう...
吉川英治 「紅梅の客」
...それは遠目には分らないほど...
吉川英治 「三国志」
...夜目にも遠目にも鮮やかである...
吉川英治 「三国志」
...遠目にもそれらが我々を傷つけ得るような状態からはるかに隔たっていることが見て取れたからだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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