...矢張跣足(はだし)になり裾を遠慮深く捲つて...
石川啄木 「鳥影」
...矢張り跣足(はだし)になり裾を遠慮深く捲つて...
石川啄木 「鳥影」
...何しろハアこんな嬉しいことは御座いません」「まあお前はなぜそんな遠慮深くしているの...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...何処までも遠慮深くおとなしくしている方がかえって奥床(おくゆか)しく美しくはあるまいか...
永井荷風 「妾宅」
...お松の方を遠慮深く見ていたようでしたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...兄哥の手で調べて貰えまいか」平次は遠慮深くこんな事を言います...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...遠慮深く見やりました...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...暗いすみのほうへ遠慮深く坐って...
久生十蘭 「キャラコさん」
...この正直で遠慮深くあらせられる老夫人が...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...田舎空気には半日も落ついては居られずに妙に遠慮深くそわ/\として愴慌(さうくわう)と引きあげてしまつたものである...
牧野信一 「小川の流れ」
...見方はたしかに遠慮深く...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...楽手は皆々遠慮深く息を殺して...
牧野信一 「円卓子での話」
...とんとんと、遠慮深く、戸が鳴って、やさしい声で、「若(も)し、お宅でござりますか? わたくしでござりますが――」と、いうのが聴えると、ハッと、さすがに油断なく、あたりを屹(きっ)と見まわすようにしたが、「おッ! 太夫だな!」と、叫ぶと、世にもうれしげな表情が、きりッとしたこの男の顔にうかぶ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...聡明(そうめい)な資質から遠慮深く世の中に臨んでおいでになって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...遠慮深くはありながらなつかしい才気のにおいの覚えられるこの女王とも...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...遠慮深く口をつぐんでしまう中の君のこんなところも故人によく似ていると思うと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...俊男が葛岡氏へ遠慮深く斯う前おきをして話し出した...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...船中でも猫のように静かで誰よりも遠慮深く謙遜だった三島であるが...
横光利一 「旅愁」
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