...衆人の前では岡は遠慮するようにあまり葉子に親しむ様子は見せずに不即不離の態度を保っていた...
有島武郎 「或る女」
...かえって自分で出すぎたことをいって退(の)けたと反省して遠慮するらしい様子が見えた...
有島武郎 「星座」
...「――義姉(ねえ)さんに遠慮することなんかありやしない...
武田麟太郎 「一の酉」
...相手の遠慮するにも拘らず...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...朝湯、朝酒は遠慮する...
種田山頭火 「其中日記」
...「何も遠慮することはないでしょう...
豊島与志雄 「反抗」
...掛物にぶら下がる癖があるから遠慮する」という...
中谷宇吉郎 「画業二十年」
...また近頃はあまり恋愛呼ばりをするのを人が遠慮するようであるが...
夏目漱石 「野分」
...よほど馬に遠慮する性質(たち)と見えて...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...日曜日にはお互(たがい)に訪問することを遠慮する...
新渡戸稲造 「人格を認知せざる国民」
...遠慮することはねえ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...主人――私の父の市太郎が亡くなつてしまへば誰に遠慮することもない筈だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...遠慮することはねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その部屋へノコノコ入る人間があるでせうか」「お前が遠慮するくらゐだもの...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして対者に遠慮する微笑を浮べて「エカキが――」と云つた...
牧野信一 「朝居の話」
...妾が少しからかつたんで悪かつたのさ……」その先は遠慮するやうに照子は笑つてゐた...
牧野信一 「妄想患者」
...相手が父だからと言って遠慮することはない...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...色紙といふ一つのいかめしい傳統的な形式――それを出されて、ひとつ畫を、と求められると、その形に恐れたり囚はれたりして、多少描ける手を持つてゐる人でも、まづ尻込みする、遠慮する、逃げまどふ...
吉川英治 「折々の記」
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