...そう思って、声をかけようとしたが、遠慮した...
芥川龍之介 「片恋」
...ために傘を遠慮した茶屋の女房なぞとは...
泉鏡花 「薄紅梅」
...遠慮したのかも知れない...
太宰治 「帰去来」
...北さんは遠慮したのか...
太宰治 「故郷」
...時節柄そう云うことは遠慮したいし...
谷崎潤一郎 「細雪」
...其他茲にちょっと名前を遠慮したい要職の人々があるのは...
豊島与志雄 「中支生活者」
...自分のいることに遠慮したのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...平次が死骸を調べるうち、お紺お國の二人は、遠慮したものか、無言のうちに誘ひ合せて、裏梯子を下へ降りてしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其處には平次の姿を見て遠慮した娘が一人...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三木は、それ等のことで、雪子の身辺に不幸な結婚談が起つてゐるのだらう――と想像したが、青木が、それについては決して積極的に語らうとしないので、三木も遠慮した...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...別段葛西氏に対して私自身を遠慮したといふ感じはない...
牧野信一 「断想的に」
...私はそれを遠慮したわけぢやないんです...
牧野信一 「円卓子での話」
...故意(わざ)と遠慮した訳です...
松本泰 「緑衣の女」
...神事の多い季節は御遠慮したいと言ってお暇を願って来たのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...遠慮したのださうである...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...母も医者も共に控えのほうへ遠慮した...
山本周五郎 「落ち梅記」
...九州方面に特に音楽家崇拝者が多いために遠慮したものでないことを...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...つまり養父(ちち)の百箇日が来るまで遠慮したいと云うので……そのうちには品夫の実父の二十一回忌も来るしする事だから...
夢野久作 「復讐」
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