...近づきこそはしなかったが遠巻きにして葉子の挙動に注意している事などを...
有島武郎 「或る女」
...私の顔とこの凄惨な屍体とを等分に見較べながら戦(おのの)きつつ遠巻きにして犇(ひし)めいている土人たちに言いつけて...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...うっかり近づくよりは遠巻きに致して疲れを待つ方が得策でござる...
中里介山 「大菩薩峠」
...米友一人を遠巻きに押取囲(おっとりかこ)んでしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠巻きにじりじりと攻め立てれば...
中里介山 「大菩薩峠」
...何かの場合の用心に遠巻きにしてくれることは差支えない...
久生十蘭 「魔都」
...高札と二人を遠巻きにして黙って円陣を作って立っている五...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...かれらはわに久を遠巻きにして...
山本周五郎 「青べか物語」
...八方は捕手(とりて)の遠巻き...
吉川英治 「江戸三国志」
...ワーッと遠巻きの見物が...
吉川英治 「剣難女難」
...不落の合に当り疲れて城外五十里を遠巻きにし...
吉川英治 「三国志」
...じりじりとその遠巻きを圧縮して来てはいるが...
吉川英治 「私本太平記」
...寄手は、朝倉家の猛将、毛屋(けや)七左衛門であったが、決死の兵にぶつかって多くの味方を損じるよりもと、遠巻きにして、完全な包囲形を作っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...もう堅松寺(けんしょうじ)を遠巻きにして...
吉川英治 「新書太閤記」
...城を遠巻きにしておる織田軍の中へ逃げこめば...
吉川英治 「新書太閤記」
...囈言(うわごと)のような声を放って遠巻きに見まもっているだけだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...遠巻きにしていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...遠巻きに拡がった無法者の群れが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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