...斯(かか)る重大のことを惹き起せしも、遠因は、「ひよつとこ鈎」に在りと想へば早く歯科医に見せざりし、鯰の口中こそ重ね重ねの恨みなれ...
石井研堂 「釣好隠居の懺悔」
...それ以外に幾多の遠因も近因もあろうが...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...妙子の変死がその最も重大なる遠因であって...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...彼は病気の原因を近因と遠因に分類し...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...また畠山の六郎重保さまは京の宿舎の御亭主たる平賀の右衛門朝雅さまとささいの事から大喧嘩をはじめてそれが畠山御一族滅亡の遠因になつたなどの騒ぎもございましたが...
太宰治 「右大臣実朝」
...あれが発病の遠因を成していなければよいが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一たいその遠因は何に拠ったのであるか...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...私に捕物小説を書かせる遠因になったというのであれば...
野村胡堂 「胡堂百話」
...その遠因は私のつまらぬ小説にあるらしい...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...目下まさに劇痛を発したる場合にのぞみてはその遠因を求めてこれを問うにいとまあらず...
福沢諭吉 「政事と教育と分離すべし」
...そして彼の失敗の遠因は...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「盗まれた手紙」
...一ツ橋高等女学校に於けるかの行為も大分その遠因を成しているらしく思われる...
牧野富太郎 「植物記」
...これが近世しばしば起こる百姓乱や虚無党や自殺倶楽部(クラブ)の有力なる遠因となれり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...私が失明をするに至った遠因ともいうべきものは...
宮城道雄 「山の声」
...技巧の超過より来る醜さは高価なものを作るところに遠因すると云えないであろうか...
柳宗悦 「工藝の道」
...親近なる批評家に取巻かるるにいたった遠因でもあったろう...
柳田国男 「雪国の春」
...この二統(とう)のもつれが遠因をなしていた...
吉川英治 「私本太平記」
...スペイン船を以て世界一周に成功せしめた遠因であると云われている...
和辻哲郎 「鎖国」
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