...遠い遠い所で遠吠えをする犬があった...
有島武郎 「星座」
...月が変圧器にひっかかっているし風は止んだしいやにあつくるしい夜だ人通りもとだえて犬の遠吠えだけが聞こえるいやにおもくるしい夜だエーテルは一時蒸発を止め詩人は居眠りをするようないやにものうい夜だ障子から蛾の死がいが落ちた...
竹内浩三 「ある夜」
...頸を高くもたげて月に遠吠えする犬の声ばかり...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...犬の遠吠えが聞えて来る...
寺田寅彦 「ある幻想曲の序」
...遥かに犬の遠吠えが聞えて来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その遠吠えを聞くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...犬の遠吠えが追々に近くなるのに気づきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠吠えの稽古(けいこ)をするってえ話じゃないか」「遠吠えは情けねえ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かなしい遠吠えをしてゐた...
平山千代子 「「みの」の死」
...犬の遠吠え一つきこえず...
フランス Anatole France 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...届いたうなり声はオオカミの遠吠えを思わせた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...おそらく獅子の遠吠えが聞えたといふジヤングルに天幕の夢を結んでも...
牧野信一 「熱海線私語」
...その犬がきっと遠吠えをはじめた...
宮本百合子 「犬三態」
...時々あの墓場のわきへ行っちゃ遠吠えをやらかす癖が附いちゃって――あれがそうでやす」金太郎君はそう言って寂しく笑いました...
三好十郎 「樹氷」
...いんいんとして犬の遠吠えが聞えてきた...
吉川英治 「大岡越前」
...気をつけろよ」遠吠えは...
吉川英治 「大岡越前」
...遠吠えをやめて、船を寄せてこい...
吉川英治 「三国志」
...その遠吠えがよけいに凄く澄んで聞え...
吉川英治 「宮本武蔵」
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