...しばらくまた渚から遠ざかる彼等の姿を眺めていた...
芥川龍之介 「海のほとり」
...次第に俗地を遠ざかる思ひが起るのである...
泉鏡花 「遺稿」
...村の人の阿Qに対して「敬して遠ざかる」ものは仕返しがこわいからだ...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...この自分を遠ざかるものは...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...・大石小石ごろ/\として春夜露もしつとり春であります・春夜は汽車の遠ざかる音も・もう郵便がくるころの陽が芽ぶく木々・風がほどよく春めいた藪から藪へ・春風のローラーがいつたりきたり・伐り残されて芽ぶく木でたゝへた水へ三月二日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...いたずらに問題の解決から遠ざかるばかりだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...何となれば天体を包んでいるエーテルは天体を遠ざかるに従ってその密度を無限に小にするにしても決して空間を虚とはしないであろうからである...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...その人たちが遠ざかるのを待った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...遠ざかるにしたがってしだいに弱くなり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...駒井が研究に没頭して事務に遠ざかる時は...
中里介山 「大菩薩峠」
...路地の外へ遠ざかると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...次第に詩文学から遠ざかるやうになつてしまつた...
萩原朔太郎 「小説家の俳句」
...少年はその家を遠ざかるにつれ...
堀辰雄 「あいびき」
...」これ程窮屈な場合であるが一刻でもこの場の雰囲気から遠ざかることが辛い! といふ思ひのたけをふくめて滝は哀れツぽく身悶えました...
牧野信一 「舞踏会余話」
...ハアハア言いながら登って遠ざかる)待ってよ金吾さあん!(先に行く金吾と敦子の二人と後に残った香川...
三好十郎 「樹氷」
...幾んど彼が身邊より遠ざかる...
横瀬夜雨 「花守」
...文覚は、遠ざかる人々へ、「おさらば」群衆も、眼に涙をためて、「おさらば――」埃(ほこり)で、陽(ひ)が昏(くら)くなった...
吉川英治 「親鸞」
...人里から遠ざかるほど...
吉川英治 「宮本武蔵」
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