...けれどもその專門家の手で却つて人間性の自然に遠ざかる樣になる...
會津八一 「音樂に就いて」
...段々後ろに遠ざかる村の方を見てゐたが...
石川啄木 「天鵞絨」
...わざわざ世に背(そむ)き人に逆らうを売物としたので益々世間から遠ざかるようになった...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...遠ざかるのでした...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...遠ざかるに随うて...
丘浅次郎 「固形の論理」
...さらに在来の商人が伝来の風習によってかえって商人道の真髄に遠ざかる憾みあることを感じ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...……・しろいてふてふにいつうまれたかきいろいてふてふ・蚊帳越しにまともに月が青葉のむかうから・月の水鶏がせつなく啼いて遠ざかる郵便やさんがばさりと朝日へ投げだしてくれた七月廿八日快晴...
種田山頭火 「其中日記」
...歴史と論理とを相互に相遠ざかる二つの方向として対立せしめて片づけるのを常とする...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...原型から益々遠ざかる一方だと考えざるを得なかった処に...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...祖父から遠ざかるに至った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...北斎はここにおいて支那画の典型に遠ざかると同時に浮世絵在来の形式を超越し...
永井荷風 「江戸芸術論」
...留守番という体(てい)のいい名義の下(もと)に自(みずか)ら辞退して夏三月(みつき)をば両親の眼から遠ざかる事を無上の幸福としていたからである...
永井荷風 「夏の町」
...駒井が研究に没頭して事務に遠ざかる時は...
中里介山 「大菩薩峠」
...是等(これら)の諸氏と席の方が遠ざかるばかりであった...
「私の経過した学生時代」
...直吉はその男の遠ざかる後姿を凝視めたままで動かなかつた...
林芙美子 「瀑布」
...だんだん家を遠ざかるにしたがって...
三好十郎 「歩くこと」
...彼らの境遇や仲間から遠ざかるのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...言うまでもなく水に遠ざかる懸念であった...
柳田國男 「地名の研究」
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