...疎略なことはするわけもないがかえってはなはだ遠ざかる気分があった...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...いよいよ経営の合理化に遠ざかることをすでに述べた...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...食卓の島々の中をくぐって遠ざかる老人の後ろ姿をながめていたら...
寺田寅彦 「柿の種」
...わざと遠ざかるやうに仕向けることを怠らなかつた...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...敬して実は遠ざかるのである...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...老人が遠ざかるとともに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一たん正業に就きて文事に遠ざかるとも...
永井荷風 「小説作法」
...留守番という体(てい)のいい名義の下(もと)に自(みずか)ら辞退して夏三月(みつき)をば両親の眼から遠ざかる事を無上の幸福としていたからである...
永井荷風 「夏の町」
...爆音遠ざかる...
永井隆 「長崎の鐘」
...追手の火影と遠ざかるばかりです...
中里介山 「大菩薩峠」
...日に日に死に背(そむ)いて遠ざかるが故に...
夏目漱石 「虞美人草」
...返すと用がなくなって、遠ざかるか、用がなくなっても、いっそう近づいて来るか、――普通の人から見ると、三四郎は少し迷信家の調子を帯びている...
夏目漱石 「三四郎」
...彼女が柔(やわらか)い草を踏(ふ)んで向うへ遠ざかるのが頭へ響(ひび)いて来た...
林芙美子 「魚の序文」
...いよ/\浮世に遠ざかるやうなり月にも闇にもをかしきは夏の夜といへど斯る宿の夕月夜...
一葉 「暗夜」
...少年はその家を遠ざかるにつれ...
堀辰雄 「あひびき」
...その間に猴素迅(すばや)く頬嚢に盗品を抛(な)げ込みたちまち籃を遠ざかる...
南方熊楠 「十二支考」
...この法に遠ざかる時...
柳宗悦 「工藝の道」
...小姓の跫音が静かに遠ざかると...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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懲役12年