...遠くから眺めてゐると...
石川啄木 「弓町より」
...遠くからながめると紫のかすみがかかったようである...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...日数をかけて随分遠くからジワジワと大仕掛にやってゆくのだ...
海野十三 「地中魔」
...それから、小駅を二三通過する間、私達はお互(たがい)の隅に坐ったまま、遠くから、時々視線をまじえては、気まずく外方(そっぽ)を向くことを、繰返していた...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...遠くから顔を映すと...
高見順 「いやな感じ」
...遠くからお話を伺ったばかしでは...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...それはちょうど人生の表層に浮き上がった現象をそのままに遠くからながめて甘く美しいロマンスに酔おうとするようなものである...
寺田寅彦 「春六題」
...そこらの門口にいる娘たちの頭髪(あたま)や身装(みなり)を遠くからじろじろ見ていた...
徳田秋声 「足迹」
...遠くから見ると、不幸は詩の円光を帯びてくる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...向うに見える貴王(きおう)の森(もり)にあたる音も遠くから交って来るらしい...
夏目漱石 「永日小品」
...自分は自烈(じれっ)たい部に属する人間の一人として遠くから彼を眺めた...
夏目漱石 「行人」
...遠くから望んでも日本の柳とは趣(おもむき)が違うように思われた...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...遠くから弓かなにかで短刀を射込んだのぢやありませんか」八五郎は妙なことに氣が付きました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...カトンテルは あなぐまトミーが 通りがかるのを 遠くから 見ていました...
ベアトリクス・ポッター Beatrix Potter 大久保ゆう やく 「きつねめさんのはなし」
...おせんは遠くから眺め乍(なが)ら幾たびもくすくすと笑った...
山本周五郎 「柳橋物語」
...遠くからそろそろそこへ向って行った...
吉川英治 「新書太閤記」
...物見」「へい」「何か地の音が遠くからする...
吉川英治 「新・水滸伝」
...遠くから姿を発見される惧(おそ)れがなくて逃げるには気楽だ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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