...……」僕は実はこの時には先生に顋を振られた時よりも遙かに参らずにはゐられなかつた...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...天才の衷に實現せらるゝ世界が、凡人の慘憺たる勞苦によつて獲得せる世界に比して、遙かに豐富に、遙かに深遠に、遙かに自由に、遙かに精彩あることは云ふ迄もない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...統制主義の能率が自由主義に比べて遙かに高かつたからである...
石原莞爾 「新日本の進路」
...堕落の数は遙かに減ずるであらう...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...または遙かな山頂の暖かそうなクリーム・イエローの照り輝きを見ては...
田中英光 「箱根の山」
...遙かな翠巒の煙るような輝き...
田中英光 「箱根の山」
...その時分の方が今より遙かに餘情に富んでいたと云う...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...遙かに真心のこもった親切な態度になるという...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...いかなる物體的なものの觀念よりも遙かに多くの判明な觀念を有してゐる...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...聽かば遙かに宜かりしを...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...* ヘルダーの歴史観はこの点で遙かに合理的で統一的である...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...遙かに真理があったのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...其聳えた下のあたりに鮎川の港はあるのであらうがもう遙かに隔つてわからぬ...
長塚節 「旅の日記」
...遙かに聞える水音で判ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それは實在者と異なつて遙かに主體に接近した位置に立ち...
波多野精一 「時と永遠」
...遙かにその日常の状態を凌駕する...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...この平かな國にあつて大きな河や沼やを距てた丘と丘とに對ひ合つて斯うした神社の祀られてあると云ふ事が何となく私に遙かな寂しい思ひをそゝる...
若山牧水 「水郷めぐり」
...遙か下に煙つて見ゆる溪の川原も...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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