...丁度空が晴れて富士山が洗ひ出されたやうに遙かなる海岸線の上に浮出してゐる日であつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...弓形は東京のよりも遙かに小さくて...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...君も又飄然として遙かに故園に去る...
石川啄木 「雲は天才である」
...又小児の死亡数と罪悪も私生児の場合に於て遙かに多いと主張してゐる...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...反省的生活は男子よりも女子の場合に於て遙かに強いといふことは男子の力が他の方面に発揮せらるゝと同じく必要なることである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...ただその薄紫色の虹の上端が始め見えたときよりも遙かの上空まで細くなって伸びているのを認めただけだったということだ...
海野十三 「地球発狂事件」
...遙(はる)かの遙かの薄暗くなった彼方(かなた)まで...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...ヘクト,ル觸るゝべく今は遙かに柔ぞ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...遙かにコンスタントな内容を持って来るのが当然なのである...
戸坂潤 「技術の哲学」
...遙かに無難な建前に立つことが出来る...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...後者では前者よりも言論統制を遙かに決定的な程度に遂行し得るということになる...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...遙かに役に立つだろうではないか...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...法律の原則は国家の遙か上に立つもので...
久生十蘭 「魔都」
...あの有爵夫人の虹のやうな輝かしさよりも遙かに私を喜ばせた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その行き方が普通の行き方を遙かに越えた緊張したものであることが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...人間は自分にその能力を遙かに越えた仕事・その必要の範囲を遙かに越えた仕事・をあてがう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...もうその姿は遙かなものになっていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...日本人学生の成績は予期したよりも遙かに好かった...
和辻哲郎 「鎖国」
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