...道々も道中の気遣いを故郷の恋しさと未来の大望とか悲しみ悦び憂いをかわるがわる胸中に往来したれば...
饗庭篁村 「良夜」
...「はてな、天狗岩というと、聞いたような名だぞ」先生は、千蔵の家へ急ぎながら、道々考えた...
海野十三 「火星兵団」
...道々考えてまいりましたんですが...
海野十三 「爆薬の花籠」
...道々(みち/\)も一分(ぷん)の絶間(たえま)もなく喋(しやべ)り續(つゞ)けて...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...道々その身の上話を聞きながら行ったことを記憶している...
高浜虚子 「丸の内」
...ここへ来る道々、その友人は、私が何かの拍子に大きな眼をギョロギョロさせると、喜劇俳優の高勢某とそっくりになるとからかった...
高見順 「如何なる星の下に」
...それから、警防団長の大内さんのお家へ行き、大内さんがお玄関に出て来られて、私を見て黙って悲しそうに微笑(ほほえ)んでいらして、私は、どうしてだか、急に泣きたくなり、「ゆうべは、ごめんなさい」と言うのが、やっとで、いそいでおいとまして、道々、涙があふれて来て、顔がだめになったので、いったんお家へ帰って、洗面所で顔を洗い、お化粧をし直して、また出かけようとして玄関で靴(くつ)をはいていると、お母さまが、出ていらして、「まだ、どこかへ行くの?」とおっしゃる...
太宰治 「斜陽」
...小浅間にのぼられる道々に転(ころが)っている岩石の石片を眺められながら...
中谷宇吉郎 「雪」
...道々、三好屋の隱居が話してくれましたが、この梅屋敷といふのは、三千五百石取の大旗本、本郷丸山の荻野左仲(をぎのさちう)の別莊で、住んで居るのは、愛妾(あいせふ)お紋の方...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「ところで三國屋で一體誰が死んだんだ」道々平次は事件の外廓線(アウトライン)でも掴まうとするのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...道々の話の面白いことといふものは――」「濡れ鼠の道行なんてのは新しいな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...道々聽くとして」平次は仕度に取りかゝりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その場で息を引取つたよ」道々お玉ヶ池の玉吉は説明してくれました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...だらしが無いぢやありませんか」道々八五郎は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...道々哨所(ポスト)でたずねて...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...道々私を奇異に感じさせたのは...
松本泰 「日蔭の街」
...この間うち道々よんでいる小説は「話しかける彼等」という訳名...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...縄目はぜひなしとするも、あれぞ越前の捕虜と、道々、人目の辱(はじ)に曝(さら)すまいぞ...
吉川英治 「新書太閤記」
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