...また二三丁で(この邊はさう人の目に見えないでのぼり道になつてるが)福渡りの宿々の内湯へ引いた湯の出もとのあるところへ來た...
岩野泡鳴 「鹽原日記」
...私は今、その六田の橋の袂(たもと)を素通りして、二股の道を左へ、いつも川下から眺めてばかりいた妹背山のある方へ取った...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...あるは夕暮れの田舎道に...
田山花袋 「田舎教師」
...子どもたちだけでこの道を歩くのは...
壺井栄 「二十四の瞳」
...道太はこの子の踊りを見たことはなかったけれど...
徳田秋声 「挿話」
...聖母や小児イエスなどが出て来る道化た卑猥(ひわい)な歌だった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...髪洗橋(かみあらいばし)などいう橋の灯(ひ)がわずかに道を照すばかり...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...また道庵先生自身の頭が...
中里介山 「大菩薩峠」
...半月前に辿(たど)って来たその同じ道を南へ取って一日も早くもとの居延塞(きょえんさい)(それとて千数百里離れているが)に入ろうとしたのである...
中島敦 「李陵」
...宜道(ぎだう)は氣(き)が散(ち)る樣(やう)では駄目(だめ)だと云(い)つた...
夏目漱石 「門」
...道ばたには三四尺の雪が積もっていた...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...一色道庵が帰って来ましたぜ」「何?」「先刻(さっき)御納戸町を通ったから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お道が泣きながら訴へる訴へを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...慌てゝ道を変へて人通りの無い...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...いずれも、この日は鎧だが、とくに道誉の、鉢金打った風折烏帽子(かざおりえぼし)に、彼らしい派手好みな陣装(じんよそお)いは、ひと目で彼と、すぐ分る...
吉川英治 「私本太平記」
...一人で三人楽(がく)の“道囃子(みちばやし)”をドンチャン流して来る男があった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...南チリーへ通じている大街道である...
和辻哲郎 「鎖国」
...(ニ)葛藤我々は道元の「道得」がロゴスの自己開展を説くものであることを見た...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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