...さうして自分は自分の内面的要求が特にその阻遏さるゝ點に於いて燃え立つことを經驗した...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...少くとも外界の威力を防遏して獨立の世界を形成するに堪へる程の威嚴ある材料によつて構成されなければならぬ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...啻に其主義の宣傳乃至實行を防遏したのみでなく...
石川啄木 「所謂今度の事」
...故に經濟的競爭を廢して之を防遏せんと欲す...
石川啄木 「トルストイ翁論文」
...日本人にして翁の言に眞面目に耳を傾くる者の生ぜんことを防遏するに努めねばならなかつた...
石川啄木 「トルストイ翁論文」
...其の之を考へずして苟くも在來の道徳に抵觸するものは一切禁遏せんとするが如きは無謀も甚だし...
石川啄木 「無題」
...惴々(ずいずい)焉としてその侵入を防遏(ぼうあつ)しようとしておる...
内田魯庵 「四十年前」
...恐慌を防遏する手段方法を極度に減少することになる...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...其人口ノ減耗ヲ防遏シ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...雲を遏(とゞ)め雲を(めぐら)す妙(たへ)なる舞の手振(てぶり)を見もて行くうち...
高山樗牛 「瀧口入道」
...女は口に袖を当ててその笑いを遏(と)めようとしていたが遏まらなかった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「嬰寧」
...如此ニシテ数十万生霊救ヒ其人口ノ減耗ヲ防遏シ...
田中正造 「直訴状」
...急に話を遏(や)めて...
徳田秋声 「爛」
...かくのごとく軍隊組織の社会においては経済上において必ず自然分配の法則を禁遏(きんあつ)して人為分配法を施用せざるべからざるものなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...かくて彼等によって真実の文化は、自分自身による自由で必然な発達に俟つ認識と思想とは、防遏される...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...この勢遏むべからざるを致せり...
内藤湖南 「學變臆説」
...然(しか)しながらおつぎへ加(くは)へようとする其(その)手(て)を極端(きよくたん)に防遏(ばうあつ)しようとすることも勘次(かんじ)が有(いう)する權能(けんのう)である...
長塚節 「土」
...軍隊出動して防遏(ぼうあつ)...
吉行エイスケ 「地図に出てくる男女」
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