...それより町をめぐりて四時少し過る頃...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...吾等は居殘りて外濠を過る電車の響の木枯に交りて鋭く耳立つ頃まで...
永井荷風 「鴎外全集刊行の記」
...省線驛前を過るに繁華の四辻に立ちて衆議員選擧候補者らしきもの演説をなす...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...以前麻布(あざぶ)に住んでいた頃よりも東京へ出るたびたび隅田川(すみだがわ)の流れを越して浅草の町々を行過る折が多くなったので...
永井荷風 「水のながれ」
...三年過るとその興味も追々他に変じて...
永井荷風 「向島」
...」常子は頷付きながら通り過る藝者の姿をながめ...
永井荷風 「来訪者」
...われ小石川白山(はくさん)のあたりを過る時は...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...他社の獅子頭この地を過るときは...
中山太郎 「獅子舞雑考」
...餘り御前が温順し過るから我儘がつのられたのであろ...
樋口一葉 「十三夜」
...裾に海草(みるめ)のいかゞはしき乞食さへ門には立たず行過るぞかし...
樋口一葉 「たけくらべ」
...即(すなわ)ち今日風(かぜ)を引(ひい)たり熱が出たりしてグヅ/\して居るのは摂生法の上等に過る誤(あやまち)であるから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...これも大店(おおみせ)は金が掛り過るから...
二葉亭四迷 「平凡」
...十二時過る頃であったとのことである...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...時に十二時を過る事十五分...
正岡子規 「病牀六尺」
...十二の五正月が過ると...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...かえりが十二時過ることはその頃も今も同じであった...
「海流」
...実際は見とどけ過るような長生きの前例で...
室生犀星 「しゃりこうべ」
...田間を過るに西南に多羅嶽(たらがたけ)...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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