...深い斷崖を過つて倒れてゐる大木の幹を渡らなければならなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...過つて取毀したときに...
薄田泣菫 「茶話」
...否、むしろ、私はときどき他の人々が自分では極めて完全に知つてゐると思つてゐることに關して間違ひをしてゐると判斷するのであるが、これと同じやうに、私が二と三とを加へるたび毎に、あるひは四角形の邊を數へるたび毎に、あるひはもし何か他の更に容易なことを想像し得るならそのことについて判斷するたび毎に、私が過つやうに、神は爲した、とさへ言ふことができるであらうか...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...そしてもし神は私に過つ能力を何等與へなかつたとすれば...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...しかるにもし私が肯定するもしくは否定するならば、そのとき私は意志の自由を正しく使用してゐない、そしてもし僞である側に私を向はせるならば、明かに私は過つ、またもし他の側を掴んで、偶然に、なるほど眞理に當りはするにしても、だからといつて私は罪を免れないであらう...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...私がしばしば過つが如きものとして作られてゐるといふことででもあらうか...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...そしてこれにおいて私が過つということはあり得ないから...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...私がしばしば過つがごときものとして作られているということででもあろうか...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...私に極めて真なるものと見えたものにおいてさえ過つというように私が本性上作られているということをば...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...そんな淫(みだら)なことに身を過つのを慙(は)ずる心の方が強かったからであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...その覘(ねら)いは過つことなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...馬術不鍛錬(ふたんれん)で過つて死んだことにして宜いのでせうか――つて」「フーム...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...半年程前迄は活動写真に凝つて身を過つてゐる妻の弟が助手だつたが...
牧野信一 「熱い風」
...過つということはいわば経験の本性に属している...
三木清 「哲学入門」
...本能はそれ自身に関する限り過つことのないものであるが...
三木清 「哲学入門」
...過つことによって我々の知識は本能の如く直接的なものでなく反省を経たものになってくる...
三木清 「哲学入門」
...屡(しば/\)解剖することを要せずとなしたのは過つてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...青年が酒の爲に過つのは...
吉川英治 「折々の記」
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