...さて其の過ぎ行くに及び...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...羽ばたきをして過ぎ行くのがあり/\と見える...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...呼ばゝりて過ぎ行く夢は去りぬ神祕(くしび)に...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...呼ばはりて過ぎ行く夢は去りぬ神秘(くしび)に...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...いでたちの旅路の糧(かて)を手握(たにぎ)りて、歩(あゆみ)もいとゞ速(はや)まさる愛の一念ましぐらに、急げ、とく行け、呼ばはりて、過ぎ行く夢は、夢は、また帰り来(こ)なくに、進めよ、走(は)せよ、物陰に、畏(おそれ)をなすか、深淵(しんえん)に、あな、急げ……あゝ遅れたり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...呼ばはりて過ぎ行く夢のいましめもあだなりけりな...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...僕達はすっかりこういうものを忘れていましたね」窓外を過ぎ行く初夏の景色を眺めながら...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...梅雨晴れの輝かしい街衢の高みを過ぎ行くものは...
富永太郎 「俯瞰景」
...怪物が過ぎ行くのを恐怖に震えながら眼前に見た...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「こんなところが剣呑(けんのん)じゃ」と言って過ぎ行く一隊の中で...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの過ぎ行く舟の中の人はマドロスさんではないのか――いや...
中里介山 「大菩薩峠」
...然し過ぎ行く幾月の間に人々は凋落し老衰して同時に一族の者は孰れも窮乏してしまつた...
長塚節 「菠薐草」
...とにもかくにも此のまま過ぎ行くは...
久生十蘭 「玉取物語」
...よしありたりとも「よらで過ぎ行く」とは言い得ざりしなり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...一番後から訴えどころない生活の過ぎ行く哀愁を感じつつ坂路を登って行った...
宮本百合子 「海浜一日」
...「いとどしく過ぎ行く方の恋しきにうらやましくも帰る波かな」これも源氏の口に上った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それによって我々は過ぎ行くものの間に過ぎ行くものを通じて...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...人は永遠を欲する! 深い永遠を欲する! しかも欲する心は過ぎ行く心である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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