...その時々の過ぎ行く影を投げるのみで...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...13日 朝闇とは過ぎ行く影であり...
ジェイムズ・アレン James Allen 大久保ゆう訳 「朝に想い、夜に省みる」
...さて其の過ぎ行くに及び...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...いでたちの旅路の糧(かて)を手(た)握(にぎ)りて、歩(あゆみ)もいとゞ速(はや)まさる愛の一念ましぐらに、急げ、とく行け、呼ばゝりて、過ぎ行く夢は、夢は、また歸り來なくに...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...いでたちの旅路の糧(かて)を手握(たにぎ)りて、歩(あゆみ)もいとゞ速(はや)まさる愛の一念ましぐらに、急げ、とく行け、呼ばはりて、過ぎ行く夢は、夢は、また帰り来(こ)なくに、進めよ、走(は)せよ、物陰に、畏(おそれ)をなすか、深淵(しんえん)に、あな、急げ……あゝ遅れたり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...自分の側を過ぎ行く人...
千家元麿 「自分は見た」
...舞扇の音を立てて開く音なども春の夜の過ぎ行く時を刻んで...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...その物は夜半にジャーンと鳴り響きて海上を過ぎ行くなりけり...
寺田寅彦 「怪異考」
...われの悲しむは過ぎ行く今年の春の為めではない...
永井荷風 「花より雨に」
...あの過ぎ行く舟の中の人はマドロスさんではないのか――いや...
中里介山 「大菩薩峠」
...然し過ぎ行く幾月の間に人々は凋落し老衰して同時に一族の者は孰れも窮乏してしまつた...
長塚節 「菠薐草」
...とにもかくにも此のまま過ぎ行くは...
久生十蘭 「玉取物語」
...窓の外に死のヴァイオリンを弾(たん)じつつ過ぎ行くを見る...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...縦(よ)しありたりとも「よらで過ぎ行く」とは言い得ざりしなり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...「いとどしく過ぎ行く方の恋しきにうらやましくも帰る波かな」これも源氏の口に上った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...過ぎ行く夏が惜しまれる...
横光利一 「琵琶湖」
...過ぎ行く雲を眺めることを知っている...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...「あんたグレンブルク原作と称する『時は過ぎ行く』見た? カラコラム映画――そんなのあるかな」「いや...
オン・ワタナベ(渡辺温) 「兵士と女優」
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