...二人はその温泉宿で運命的な一女性に出会ったのだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...あるのは唯人類に対する運命的な啓示のみである...
竹内勝太郎 「人形芝居に関するノオト」
...何の理由もなしにほとんど運命的な約束をさえ見出しかけていると...
谷譲次 「踊る地平線」
...しかし私は私達の恋愛を運命的なものと...
外村繁 「澪標」
...民族の本能的な運命的な伸長力を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...こりゃなかなか運命的な話だぞ……争われないもんだ...
久生十蘭 「黒い手帳」
...一点から伸ばされた二本の太い綱で、ぐいぐいと、二人、同じところへ引きよせられたような、運命的な気持が、金五郎の胸も、マンの心も、領していた...
火野葦平 「花と龍」
...釘(くぎ)づけにして了ふやうなある運命的な言葉を聞いて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それは運命的なものなのだらう...
北條民雄 「孤独のことなど」
...たしかに自分は自分といふ個人の運命的な姿を見た...
北條民雄 「道化芝居」
...あの運命的な錯誤――一乗客の電報のためにキャリフォルニアン号の警報を受信しなかったタイタニックは...
牧逸馬 「運命のSOS」
...運命的な存在である人間にとつて生きてゐることは希望を持つてゐることである...
三木清 「人生論ノート」
...因果必然的なものを我々は運命的なものとは考へないのである...
三木清 「歴史哲學」
...且つ事實としての歴史に於ける運命的なものは自然的なものと見られ得るのであり...
三木清 「歴史哲學」
...我々はかかる運命的なものを事實としての歴史の含む否定の契機と解した...
三木清 「歴史哲學」
...かかる囘歸的時間がまさに運命的なものを意味したといふことによつても知られよう...
三木清 「歴史哲學」
...そこでまた感情は運命(我々は運命的なものをかかる否定的なものとして規定した)の體驗としてその固有なるものであり...
三木清 「歴史哲學」
...一つに溶け込む運命的な剰余を当然持っていると見られるが...
「純粋小説論」
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