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饗庭篁村 「木曾道中記」
...それが運よく地の底からもがき出て助かったのだという...
江見水蔭 「丹那山の怪」
...そして僕はいつも運よく日当りのいい南側の室に置かれた...
大杉栄 「続獄中記」
...運よく命を完うして帰って来たら...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...運よく出逢つた屑屋さんを引張つてきて新聞紙を売る...
種田山頭火 「行乞記」
...運よくM屋といふ宿を教へられて泊めて貰ふ...
種田山頭火 「道中記」
...朝、ポストまで、運よくはぎ一袋...
種田山頭火 「松山日記」
...運よく水筋にあたったとみえて...
壺井栄 「柿の木のある家」
...彼女は運よく免(まぬ)かれたのである...
夏目漱石 「明暗」
...賢夫人と千々子さまは、トラックの上で、ろくでもない道具をあちこちさせていたので、運よく、聞きつけられずにすんだが、なんともはや、すごいところまで見抜かれたものだと、はっと胸をおさえたのは、百々子だけのことではなかった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...運よく呼ばれました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の土壌」
...運よく知りあいの同業の女が三人伴(づ)れで通りかかった...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...運よく円朝のはなしに出くはしたのであつた...
水野葉舟 「言文一致」
...わたしは運よく、その山羊が殺されようという日に家に帰った...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...運よく神戸でエムプレス・チャイナ号のAクラス・ボーイに紛れ込んで知らん顔をして上海まで来た...
夢野久作 「難船小僧」
...――そこで折角の七百両を、あの儘にして置いちゃどうも、死ぬにも気にかかるし、同じ誰かに取られるなら、他人に渡すのは業腹(ごうはら)だから、山岡屋さんの手に揚(あ)げて貰って、石塔(せきとう)の一つも建って貰えれば有難いし、運よく、遠島(えんとう)とでもなって、娑婆の風にふかれる日があったら、そのうちの幾分(いくぶん)でも、助けて貰えれば嬉しいと――こうまあ当人が云うわけなんでございます』『よく分ったが――其処(そこ)でその七百両の金を沈めてあるという場所は?』『永代橋(えいたいばし)の西河岸(にしがし)で、橋の袂(たもと)から川下流(しも)のほうへ、足数にして十五、六歩ほど歩いた所の川の中だそうで...
吉川英治 「魚紋」
...先ごろ、突如、六波羅の大検挙が一せいにおこなわれた日には、彼は運よく、家にはいず、宮中にもいなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...停車場に入ると運よく汽車が来た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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