...悵(ちやう)たる征驂(せいさん)をとゞめて遊子天地に俯仰(ふぎやう)すれば...
石川啄木 「閑天地」
...木棚の肌は遊子のナイフのあとで一ぱいだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...他はいやに遊子ぶって中空に冴えわたる月を眺めたりなんかしてると...
谷譲次 「踊る地平線」
...天涯の遊子にとっては正(まさ)に生命から二番目の貴重品である...
谷譲次 「踊る地平線」
...巴里(パリー)の雨なんかと独りで遊子ぶったりすることもないではない...
谷譲次 「踊る地平線」
...……雲白く遊子かなしむ……旅情あらたに切なるを感じた...
種田山頭火 「旅日記」
...ことにわれは多恨の遊子(いうし)...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...續いて『曉鐘』『東海遊子吟』『曙光』『天馬の道に』を刊行した...
土井晩翠 「「雨の降る日は天氣が惡い」序」
...物に慣れない遊子に対する特殊の待遇ではなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...その泣き声は吾ながら悲壮の音(おん)を帯びて天涯(てんがい)の遊子(ゆうし)をして断腸の思あらしむるに足ると信ずる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...右行左行するものは遊子粋客にあらざれば...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...氏の温情は東方の遊子の心を慰さむること夥し...
牧野信一 「淡雪」
...氏の温情は東方の遊子の心を慰さむること夥し...
牧野信一 「サフランの花」
...秋と遊子の姿を髣髴させたなら...
牧野信一 「風流旅行」
...小諸(こもろ)なる古城のほとり雲白く遊子悲しむと島崎藤村先生のうたつた城址を訪ひ...
水上瀧太郎 「山を想ふ」
...あまたの遊子酔客が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...今日そこを訪う遊子にとっても...
吉川英治 「随筆 新平家」
...やはり遊子の情みたいなものを...
吉川英治 「随筆 新平家」
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