...如何に天涯の遊子たる予自身を憫(あはれ)みしか...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...木棚の肌は遊子のナイフのあとで一ぱいだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...他はいやに遊子ぶって中空に冴えわたる月を眺めたりなんかしてると...
谷譲次 「踊る地平線」
...遊子ドン・ホルヘの顔いっばいに月が照らして――ま...
谷譲次 「踊る地平線」
...天涯の遊子にとっては正(まさ)に生命から二番目の貴重品である...
谷譲次 「踊る地平線」
...……雲白く遊子かなしむ……旅情あらたに切なるを感じた...
種田山頭火 「旅日記」
...ことにわれは多恨の遊子(いうし)...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...自叙体の主人公をば遊子(ゆうし)とか小史とか名付けて...
永井荷風 「夏の町」
...物に慣れない遊子に対する特殊の待遇ではなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...その泣き声は吾ながら悲壮の音(おん)を帯びて天涯(てんがい)の遊子(ゆうし)をして断腸の思あらしむるに足ると信ずる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...長く遊子の低徊をゆるすべきにあらざれど...
原勝郎 「貢院の春」
...右行左行するものは遊子粋客にあらざれば...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...氏の温情は東方の遊子の心を慰さむること夥し...
牧野信一 「サフランの花」
...是が島崎氏のいうような遊子(ゆうし)によって...
柳田国男 「海上の道」
...紅牙(コウガ)催拍(サイハク)シテ燕ノ飛ブコト忙(セワ)シ一片ノ行雲(コウウン)画堂(ガドウ)ニ到ル眉黛(ビタイ)促(モヨオ)シテ成ス遊子ノ恨ミ臉容(レンヨウ)初(ハジ)メテ故人ノ腸(ハラワタ)ヲ断ツ楡銭(ユセン)買ワズ千金ノ笑柳帯(リュウタイ)ナンゾ用イン百宝ノ粧(ヨソオ)イ舞(マイ)罷(ヤ)ミ簾(レン)ヲ隔テテ目送スレバ知ラズ誰カコレ楚(ソ)ノ襄王(ジョウオウ)眼を貂蝉のすがたにすえ...
吉川英治 「三国志」
...あまたの遊子酔客が...
吉川英治 「新・水滸伝」
...今日そこを訪う遊子にとっても...
吉川英治 「随筆 新平家」
...遊子茫然としてこの境にたたずむ時胸には無量の悲哀がある...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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