...歩みの遅い土星は一周に三〇年を要し...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...速度の遅い音は後から聞える...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...すこし遅いことは遅いが...
田中貢太郎 「青い紐」
...細君の支度の為ようが遅いのでぶつぶつ言っていたが...
田山花袋 「蒲団」
...気が付いた時はもう遅いんだ...
豊島与志雄 「蠱惑」
...良心の責めというものの悶(もだ)えならば、時も遅いし、その意味をも成さないわけでありますが、七兵衛のした仕事そのものよりは、何かにつけて、もっと大きな浅ましさを感じてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「何んだ、婆や、――客が来たのか、少し遅いな、何? 新聞記者? なら逢ってやろう」長島博士は婆やに指図して玄関の扉(ドア)を開けさせました...
野村胡堂 「音波の殺人」
...遅い月の出の薄明りに照されながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次は遅い晩飯を済まして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その断りは遅いわい...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...遅いわよ」「いンね...
火野葦平 「花と龍」
...「お母さんは遅いわね...
室生犀星 「音楽時計」
...俳句の題の身に沁むにはすこし遅いやうではあるが...
室生犀星 「故郷を辞す」
...遅いからやすむとしよう」爺さんはこう云って蚊遣の土器をひき寄せて渦のまま灰になっている分を払い落して...
矢田津世子 「神楽坂」
...もう柳原へいって来るには遅いと思ったから...
山本周五郎 「柳橋物語」
...――が、そう知ったときは、すでに遅い...
吉川英治 「三国志」
...さっきからその菅沼藤蔵(すがぬまとうぞう)ひとりが遅いのを...
吉川英治 「新書太閤記」
...「待てッ」――もう遅い...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??