...何ぞ進歩の遅々たるに焦燥(せうそう)の念無きを得可けんや...
芥川龍之介 「骨董羹」
...遅々たる陽あしを感じてはひとり苛々した...
海野十三 「深夜の市長」
...私の遅々たる徐歩主義は漸く勝を占めかけて...
高浜虚子 「富士登山」
...けれども師父ブラウンがその著名な考古学者の遅々たる恢復の間その側(そば)にあってスメール教授に話したというのは...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...人智によるその認識が遅々としているかということなのである...
中谷宇吉郎 「雪」
...気まずい時が遅々として過ぎ行きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「二月三月日遅々...
萩原朔太郎 「詩の翻訳について」
...その効験の現わるるはきわめて遅々たるものにして...
福沢諭吉 「徳育如何」
...また人口がこれまでいかに遅々たる増加しかしなかったかを示す証拠である...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...まことに遅々とながら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この朝おき宵ねについてはまことに遅々たる有様ですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「一軒家」から乗った船は北風の吹く薄暮の川面を遅々として川上の方へと進んだ...
山本周五郎 「青べか日記」
...船脚すこぶる遅々として根っから効なし...
山本笑月 「明治世相百話」
...計りごと遅々なれば計りごと変ず...
吉川英治 「三国志」
...春日の遅々たる天...
吉川英治 「三国志」
...歩みも遅々(ちち)と...
吉川英治 「私本太平記」
...春はようやく日も遅々(ちち)として...
吉川英治 「新・水滸伝」
...上り船は遅々たるものである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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