...遅々たる陽あしを感じてはひとり苛々した...
海野十三 「深夜の市長」
...今日の遅々とした進歩はそれに較べれば児戯の観をなすほどの...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...覆水無収日去婦無還時相逢但一笑且為立遅々といふ詩が中国の小説の中に出てくる...
高田保 「恋文」
...我国社会運動の遅々(ちち)として進まざる...
高見順 「いやな感じ」
...然しそれは後方の人に支え止められて遅々たるものだった...
豊島与志雄 「群集」
...前進は遅々として困難だった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...春日遅々...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...遅々としてはかどらないようであった...
中谷宇吉郎 「壁画摸写」
...遅々たる夜の歩みを...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...遅々たる春の日、妙に生暖かさが睡(ねむ)りを誘って、陽(ひ)が西に廻ると、義理にも我慢の出来なくなるような薄霞(うすがす)んだ空合(そらあい)でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それだけに引きずられて遅々たる行進をつづけた...
松濤明 「春の遠山入り」
...また人口がこれまでいかに遅々たる増加しかしなかったかを示す証拠である...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...遅々たる歩みではあっても...
三好十郎 「俳優への手紙」
...城普請(しろぶしん)のために徴発(かりだ)してはならんとあって」「それでは遅々(ちち)と進まぬ道理だ...
吉川英治 「私本太平記」
...遅々(ちち)、春の日は、まだ山科(やましな)あたり、陽は舂(うすず)きもしていなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...秀吉の戦い遅々として捗(はかど)らずとも...
吉川英治 「新書太閤記」
...夜(よ)すがら、燭に、頬骨を照らさせて、遅々と、筆を持っている彼の姿を想像すると、思うだけでも、肌に粟(あわ)が生じてくる...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...遅々とした筆が運ばれだす...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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