...悽惨(せいさん)として遅々たりや...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...他の人々が遙かに前進している後方に私は強力と共に遅々として歩いた...
高浜虚子 「富士登山」
...ぜんたいが遅々とそして凝然と押し流れてゆく...
谷譲次 「踊る地平線」
...かたつむりのごとく遅々として地を往くほうが...
谷譲次 「踊る地平線」
...遅々として進捗しない...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...その割にしては郊外の発展はまだ遅々としているよ」「それああなた...
徳田秋声 「蒼白い月」
...前進は遅々として困難だった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...気まずい時が遅々として過ぎ行きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...遅々(ちち)としてヨンヌの平野をのたくりゆくうち...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...日が延びる程の遅々たるおもむきで...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...牛みな草を喰て遅々として水を渡り去る...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...存外に流行が遅々としていたのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...みなさんの学問の遅々として進まぬことを...
柳田国男 「木綿以前の事」
...船脚すこぶる遅々として根っから効なし...
山本笑月 「明治世相百話」
...応仁以後、宇内の暗黒は、各地に割拠(かっきょ)する豪族たちから、遅々(ちち)、自覚されて、東海に徳川、織田の起(た)つあり、西海に、毛利、大内の起るあり、甲山に信玄、ここに謙信、相模に北条、そして駿遠の堺に、今川氏の一朝に瓦滅(がめつ)するなどあって、今や日本のうごきは、急潮に変り、急激に大革新を示そうとしている...
吉川英治 「上杉謙信」
...そして裳(も)を曳く人の如く、遅々と、名残惜しそうに、道場の裏戸から静山は戸外(おもて)へ立ち去る――「あっ、あっ、兄上っ……」泥舟は蹌(よろ)ぼうた...
吉川英治 「剣の四君子」
...大夢誰かまず覚(さ)む平生我れ自ら知る草堂に春睡(しゅんすい)足(た)って窓外に日は遅々(ちち)たり吟じおわると...
吉川英治 「三国志」
...遅々(ちち)として...
吉川英治 「私本太平記」
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