...何ぞ進歩の遅々たるに焦燥(せうそう)の念無きを得可けんや...
芥川龍之介 「骨董羹」
...いよいよ歩みの遅々たるに業を煮やし...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...時間は遅々(ちち)として...
海野十三 「大脳手術」
...小さい箱の汽車はミシミシと腰掛けや窓をきしませながら遅々と西へ走った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ぜんたいが遅々とそして凝然と押し流れてゆく...
谷譲次 「踊る地平線」
...何にしろ事件はこの土地からはるか離れた所で遅々として進んでゐるのか停滞してゐるのかわからない位であつたから...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...前進は遅々として困難だった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...遅々として進まないことの原因がどこにあるかを衝いている文献ともいえるものである...
中谷宇吉郎 「北海道開発に消えた八百億円」
...しかもその伝播ははなはだ遅々たるものであった...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...遅々(ちち)としてヨンヌの平野をのたくりゆくうち...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...はなはだ遅々(ちち)たるを常とす...
福沢諭吉 「政事と教育と分離すべし」
...そしてそれがいかにも遅々としていればいるほど...
堀辰雄 「風立ちぬ」
......
山川登美子・増田雅子・與謝野晶子 「恋衣」
...存外に流行が遅々としていたのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...遅々として天界で滅んでゐた...
横光利一 「静かなる羅列」
...淀の上(のぼ)りといえば、遅々として、舟に飽きるのがふつうだが、迫い風を孕(はら)んだ帆は、またたくまに守口を過ぎ、やがて鳥飼を左に見ていた...
吉川英治 「私本太平記」
...城普請(しろぶしん)のために徴発(かりだ)してはならんとあって」「それでは遅々(ちち)と進まぬ道理だ...
吉川英治 「私本太平記」
...まだこれしか書けなかったかと、月日の短さよりも、遅々たる筆に、長の旅路を脚に感じる...
吉川英治 「随筆 新平家」
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