...読詩の妙は漸々遅々たる推度の裡に存す...   
上田敏 上田敏訳 「海潮音」 
...遅々としているようでいて結果を見ると驚くばかりだった...   
大鹿卓  「渡良瀬川」 
......   
高浜虚子  「俳句の作りよう」 
...私の遅々たる徐歩主義は漸く勝を占めかけて...   
高浜虚子  「富士登山」 
...何にしろ事件はこの土地からはるか離れた所で遅々として進んでゐるのか停滞してゐるのかわからない位であつたから...   
田畑修一郎  「医師高間房一氏」 
...それはまことに遅々たる寂けさにある...   
中井正一  「歴史の流れの中の図書館」 
...遅々としてはかどらないようであった...   
中谷宇吉郎  「壁画摸写」 
...遅々たる春の日、妙に生暖かさが睡(ねむ)りを誘って、陽(ひ)が西に廻ると、義理にも我慢の出来なくなるような薄霞(うすがす)んだ空合(そらあい)でした...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...まことに春日遅々たるの想ひで豆粒ほどの土に藹々たる無辺の念を凝らしながら...   
牧野信一  「心象風景(続篇)」 
...その様な歩みは非常に遅々としか進まない...   
三好十郎  「俳優への手紙」 
...遅々たる歩みではあっても...   
三好十郎  「俳優への手紙」 
...葵(あおい)夫人の恢復(かいふく)が遅々としているのだけを気がかりに思っていた...   
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」 
...船脚すこぶる遅々として根っから効なし...   
山本笑月  「明治世相百話」 
...遅々として天界で滅んでゐた...   
横光利一  「静かなる羅列」 
...計りごと遅々なれば計りごと変ず...   
吉川英治  「三国志」 
...歩みも遅々(ちち)と...   
吉川英治  「私本太平記」 
...遅々(ちち)、春の日は、まだ山科(やましな)あたり、陽は舂(うすず)きもしていなかった...   
吉川英治  「新書太閤記」 
...従って地代の増進が遅々たる所の...   
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」 
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