...決して隠遁するつもりではないのである...
石川三四郎 「半農生活者の群に入るまで」
...其眼に満干(さしひき)する微かな波をも見遁す事はなかつた...
石川啄木 「二筋の血」
...ややもすれば行き詰まりの人事行政打開に重点を置いて軍拡を企図した形跡を見遁す事が出来ない...
石原莞爾 「戦争史大観」
...東宮が小鳥に見とれているのをそのまま見遁すことが出来たなら...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...――私は隠遁する...
種田山頭火 「其中日記」
...次第にさうした積極的な心持から離れて來るやうな形になつて行くのを誰も見遁すものはなかつた...
田山花袋 「道綱の母」
...P・ラピーやT・リップスの仕事も見遁すことが出来ない*...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...処が之こそ見遁すことの出来ぬ大事な時事問題で実際問題なのだ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...こうして巨魁を見遁す処の...
戸坂潤 「社会時評」
...そして機会を遁すまいとあせって...
豊島与志雄 「電車停留場」
...其以前に竄亂されたものは大抵之を看遁す傾になつてゐる...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...其處に例へ一點でも感じられる暗い影があつたら見遁すまいとした...
南部修太郎 「疑惑」
...それには(七)フランスとイギリスの勢力が根強く潜在するようになったのを見遁すことはできない...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...見遁す平次ではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...強い芸術味のあることを見遁すことが出来ないのである...
松本たかし 「松本たかし句集」
...見遁すわけには、断じてならぬ」「見遁さぬといって、――それじゃあ、どうなさるんで――?」「いうまでもなく、引っ捕えて、役向へ、突き出すまでだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...みすみすそれを見遁すのも残念千万」「では...
吉川英治 「江戸三国志」
...世をすてて隠遁する...
吉川英治 「私本太平記」
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