...本郷の講釈場の路次に逼塞(ひっそく)し...
徳田秋声 「縮図」
...こんな狭い天地に逼塞(ひっそく)はしているけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...二た間の長屋に膝小僧を抱いて逼塞(ひつぱく)してゐる四十年輩の浪人者は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...四谷谷(たに)町の陽あたりの悪い二間きりのボロ借家(しゃくや)に逼塞していた...
久生十蘭 「予言」
...これが不景気助長の金融逼塞を甚だしからしめて居るに違いない...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...よってまず逼塞(ひっそく)まかりあるべく...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「たしかに、両家ともそう云ったといっています」「ばかなことを」と喜兵衛が云った、「殿は昨日、御逼塞になった、お上(かみ)といえるのは御幼君だけだ、まだお二歳(ふたつ)の亀千代さまが、そんなことをお命じになるわけはない」「かれらはそう申したということです」「これは穏やかでないぞ」と村山喜兵衛が云った、「昨日の今日、上意を僣称(せんしょう)してこんな事が起こるのは尋常ではない、おれはすぐ御家老に申上げよう、あの三人をたのむぞ」「承知しました」「誰が来ても渡すな」「承知しました」と矢崎舎人が云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...殿さま逼塞の沙汰があったこと...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...かれらが「藩主逼塞」という大事に致らしめた奸臣であるという理由で...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...陸奥守さまは御逼塞になられたのですから...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...綱宗逼塞による藩家の興廃が知りたいらしい...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「そんなことが実際にできるわけはない」「しかしその第一はもう事実になりました」「第一とは」「殿の御逼塞(ごひっそく)です」安芸はぎらっと周防を見た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「――御逼塞が、その謀計の一つだというのか」「第二は跡式(あとしき)の件です」と周防は云った、「御存じのようにいま御継嗣について、入札(いれふだ)がおこなわれることになっておりますが、その結果によっては、六十万石を二つに割り、三十万石を一ノ関さま、十万石を白石(片倉小十郎)どの、残余はしかじかに分配すると、数度にわたって談合があったというのです」「久世侯が申されたのだな」「しかも、所領分割のことは、すでにその人々にも通じているかもしれぬ、白石どのなどは十万石ということであるから、さもあるまいが特に注意するように、とのことでした」安芸の躯が動かなくなった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...いちどは綱宗に逼塞(ひっそく)の沙汰の出たとき...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...陸奥守(むつのかみ)綱宗の逼塞から始まり...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そのごは守時の逼塞(ひっそく)と共に...
吉川英治 「私本太平記」
...――いわゆるものの勢い――これを見ては寄手の弓矢が逼塞(ひっそく)してしまったのもむりではない...
吉川英治 「私本太平記」
...六行だ」かれは高い山の頂(いただき)へついた時のような呼吸の逼塞(ひっそく)をおぼえだした...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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