...逼塞(ひつそく)した息はお腹(なか)の上へ墓標(はかじるし)をたてようとする...
大手拓次 「藍色の蟇」
...一家が丸山の隣の小さい借家へ逼塞(ひっそく)してからであった...
徳田秋声 「足迹」
...そのころそこに逼塞(ひっそく)していた...
徳田秋声 「足迹」
...本所のさる裏町の長屋に逼塞していた時分...
徳田秋声 「縮図」
...二十五栃木の大中寺に逼塞(ひっそく)の神尾主膳は...
中里介山 「大菩薩峠」
...殿様は入府になるなり、下邸に逼塞し、元日の参賀にも、十一日の具足祝いにも上らず、大物(おおもの)を抱えて鬱々としてござった...
久生十蘭 「玉取物語」
...むろん事あれかしと覗(うかが)っていたオロシャは逼塞(ひっそく)しないであろう...
本庄陸男 「石狩川」
...よってまず逼塞(ひっそく)まかりあるべく...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「たしかに、両家ともそう云ったといっています」「ばかなことを」と喜兵衛が云った、「殿は昨日、御逼塞になった、お上(かみ)といえるのは御幼君だけだ、まだお二歳(ふたつ)の亀千代さまが、そんなことをお命じになるわけはない」「かれらはそう申したということです」「これは穏やかでないぞ」と村山喜兵衛が云った、「昨日の今日、上意を僣称(せんしょう)してこんな事が起こるのは尋常ではない、おれはすぐ御家老に申上げよう、あの三人をたのむぞ」「承知しました」「誰が来ても渡すな」「承知しました」と矢崎舎人が云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...綱宗逼塞による藩家の興廃が知りたいらしい...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「――御逼塞が、その謀計の一つだというのか」「第二は跡式(あとしき)の件です」と周防は云った、「御存じのようにいま御継嗣について、入札(いれふだ)がおこなわれることになっておりますが、その結果によっては、六十万石を二つに割り、三十万石を一ノ関さま、十万石を白石(片倉小十郎)どの、残余はしかじかに分配すると、数度にわたって談合があったというのです」「久世侯が申されたのだな」「しかも、所領分割のことは、すでにその人々にも通じているかもしれぬ、白石どのなどは十万石ということであるから、さもあるまいが特に注意するように、とのことでした」安芸の躯が動かなくなった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...綱宗の逼塞に、兵部と雅楽頭の連絡のあることはわかっていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...逼塞(ひっそく)になった綱宗は...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...綱宗が逼塞になったこと...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...さきの陸奥守(むつのかみ)に逼塞(ひっそく)のお沙汰のあったとき...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「すでに国老評定の裁決が出ている、采女どのは逼塞、七十郎は預け者と、正式に裁決が出ているのだ」「呼びつけて詰腹を切らせるつもりだ、と云ったのは里見老ではないか」「出頭すればだ」と十左が云った、「出頭すればその危険があると思った、そうではないか」「かれらが詰腹を切らせるつもりだということは慥(たし)かだ」「出頭しないという方法もある」七十郎は唇で笑った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...朝臣の逼塞(ひっそく)...
吉川英治 「三国志」
...おなじ逼塞(ひっそく)なかまの公卿どもをもかたらって...
吉川英治 「私本太平記」
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