...地主はいつもその地代を逸楽の酒宴に撒き散らし...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...さもなければ見さげ果てた逸楽である...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...羅馬は栄華の極盛に達し国民は相次いで華美逸楽へと趨(はし)った結果...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...安易と逸楽を却(しりぞ)け...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「自責」
...肉感的逸楽の気が沁み渡っていた浄土教の宗教画として今も伝わっている弥陀来迎の図などのコッテリした色彩を...
津田左右吉 「偶言」
...うっとりとした逸楽的な肉体の底に醸(かも)さるる愛に……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...多少進取の気運に伴(ともな)つて奢侈逸楽等の弊害欠点の生じて来る事に対しても...
永井荷風 「虫干」
...之を明治の社会に応用致し候わば所謂(いわば)禍(わざわい)を未萌(みほう)に防ぐの功徳(くどく)にも相成り平素逸楽(いつらく)を擅(ほしいまま)に致し候(そろ)御恩返も相立ち可申(もうすべく)と存候(ぞんじそろ)……」何だか妙だなと首を捻(ひね)る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...己レ逸楽ヲ好メバ人亦其ノ行ヒヲ誹ル...
成島柳北 「阿房山賦」
...三百年の太平逸楽(いつらく)に奢(おご)って...
長谷川時雨 「木魚の顔」
...逸楽を感じずにはすまされなかったこと...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...逸楽(いつらく)の王という部屋です...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...(a)逸楽さえ苦痛によってたかめられようと求める...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どのような逸楽をもみな正しいものにしてしまう」のである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...花時の逸楽気分を満喫した...
山本笑月 「明治世相百話」
...お柳との無銭の逸楽に耽(ふけ)った代償を完全に支払わされている自身に気付かねばならなかった...
横光利一 「上海」
...……で、私は、迷って出たのです、しかし実社会に接して、なまなましい現世の人たちの苦悩を見、逸楽を見、流々転相(るるてんそう)のあわただしさをあまりに見てしまうと、私のような智の浅いものには、魚に河が見えないように、よけいに昏迷してしまうばかりで、ほとんど、何ひとつ、把握(はあく)することができないのであります」法印の声は、切実であった...
吉川英治 「親鸞」
...源氏物語的な特異な逸楽(いつらく)を幾世紀となくつづけ...
吉川英治 「随筆 新平家」
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