...その生活者の内容もしくは進境だけが眞の人生や藝術だと云ふ樣な説は間違つてゐること...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...人生の観照等に到っては『浮雲』以後の進境を見る事が出来なかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...佐助の語るところは彼の主観の説明を出でずどこまで客観と一致するかは疑問だけれども余事はとにかく春琴の技芸は彼女の遭難(そうなん)を一転機として顕著(けんちょ)な進境を示したのではあるまいか...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...もしそれ松陰をして、その遭遇する事業を繁多(はんた)ならしめ、その活動する天地を偉大ならしめ、多くの事と、多くの人と、多くの思想と、多くの歳月との中に、彼を練磨せしめば、彼が進境、あるいはここに止まらざりしなるべし...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...併し仲々の進境だ...
戸坂潤 「獄中通信」
...國民全體の政治思想に進境なきが爲なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...今日の如く未だ主義政綱を以て争ふの進境に達せざるの政界に在て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...然れどもその画風筆力の著しき進境を示したるは歌麿の歿後(ぼつご)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...余は近時本誌の文章の天然描寫の一段に於て多大の進境を認むると共に喜悦の念禁ぜざるものあり...
長塚節 「寫生斷片」
...すこしの進境もなく...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...一大進境の種たりしを思わざるを得ない...
服部之総 「加波山」
...莫大の進境があると云はねばならぬ...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...可なりの進境なかるべからざる譯である...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...若干の進境を見たこと爭ひ難い...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...夢声の進境大いに認む...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...もうそれだけでも大きな進境であろうと思う...
柳田国男 「木綿以前の事」
...格段な進境を現わしたのであった...
吉川英治 「剣の四君子」
...これは著者の人格的生活における近来の進境を物語るものにほかならぬ...
和辻哲郎 「『青丘雑記』を読む」
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