...すると彼は私の逡巡(しゅんじゅん)に早くも気がついたと見えて...
芥川龍之介 「疑惑」
...逡巡しながらもその人の膝下に跪くに違ひないと思ふ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...あれは――」と帳場氏は言葉を切ってちょっと逡(ためら)った...
海野十三 「蠅男」
...「呀ッ!」と帆村の逡(たじろ)ぐ前に...
海野十三 「蠅男」
...僅かに逡巡(しゅんじゅん)の色を見せるという風だった...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...冷たき軽侮の影に逡巡(しゅんじゅん)している疲れた人々よ! などというが...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...逡巡(しゅんじゅん)する兵士らと...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「彼方(あつち)の方(ほう)つて――」と少(すこ)し逡巡(ためら)つてゐた三千代は...
夏目漱石 「それから」
...かすかに逡巡(しゅんじゅん)するものを感じていた...
本庄陸男 「石狩川」
...畏縮といふよりは些(いさゝ)か辟易の體(てい)で逡巡(うぢうぢ)してゐる...
三島霜川 「解剖室」
...作者が恋愛した人との現実で苦しんでいた、人生に対する対手の狐疑、逡巡は、貧困や孤独な生活経験からたくわえられたものであった...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」
...自然の嵐は威厳をもって圧倒的に正々堂々と、順二郎の内部の旋風はやや臆病に、逡巡をもって、しかも避け難い力に押されて、互に響き合い、ひきよせ合っているようだ...
「海流」
......
三好達治 「測量船拾遺」
...そうして初めて和(なご)やかに微笑って私の手にその手を結びつけ幾度か逡巡(ためら)いいくらか羞かしそうに口のうちで「お父さん」とそう呼びかけた...
室生犀星 「童子」
...怯懦(けふだ)逡巡(しゆんじゆん)して...
山路愛山 「信仰個条なかるべからず」
...荊州も取り給わず遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん)...
吉川英治 「三国志」
...が今は何の逡巡(しゅんじゅん)もない...
吉川英治 「私本太平記」
...狐疑(こぎ)と逡巡(しゅんじゅん)をいだかせ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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