...保吉は咄嗟に女の目の逡巡する容子(ようす)を想像した...
芥川龍之介 「あばばばば」
...誰か徒(いたづら)に(しそ)逡巡して...
芥川龍之介 「枯野抄」
...この恐怖や逡巡(しゅんじゅん)は回向院の大銀杏へ登る時にも...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...今は少しも逡巡(ためら)はず...
巌谷小波 「こがね丸」
...逡巡(しゅんじゅん)している八十助を無理に引張って行った...
海野十三 「火葬国風景」
...しかし解剖医は逡巡(しゅんじゅん)も興奮をも示さず...
海野十三 「人体解剖を看るの記」
...「呀ッ!」と帆村の逡(たじろ)ぐ前に...
海野十三 「蠅男」
...あたかも一段ごとに逡巡(しゅんじゅん)するかのようにゆっくり階段を下りていった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...思(おも)ひ切(き)つてせねば成(な)らぬ事件(じけん)に出逢(であ)うても二度(ど)や三度(ど)は逡巡(しりごみ)するのがどうかといへば彼(かれ)の癖(くせ)の一つであつた...
長塚節 「土」
...少しく逡巡(しゅんじゅん)するのと一般である...
夏目漱石 「虞美人草」
...湯槽(ゆぶね)の中で身を浮かしながら少々逡巡(しゅんじゅん)していると...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...御米はしばらく逡巡(ためら)った末...
夏目漱石 「門」
...かあいそうに――逡巡(しゅんじゅん)の気持はなかったのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...逡巡(しゅんじゅん)いたしておれば得てして邪魔がはいるもの...
本庄陸男 「石狩川」
...逡巡(ためらい)勝ちに蓋を持上げると...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...憤つてる見たいだな――とつても好いかえ?」など逡巡してゐたが...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...孤疑し逡巡し、骸骨のやうな顔をして互に睨み合つて居るやうな自分の生活から、せめて少しの間でも脱れ出る事が出来る...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...味方の勢を実は少しずつ――黎陽(れいよう)(河南省逡県東南)都(ぎょうと)(河北省)酸棗(さんそう)(河南省)の三方面へ分け...
吉川英治 「三国志」
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