...猪首(いくび)の若者は逡巡(しゅんじゅん)した...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...一円をすっかり使うことに逡巡(しゅんじゅん)してはいないであろうか?四二 虚栄心ある冬に近い日の暮れ...
芥川龍之介 「追憶」
...疑惑も逡巡も要するに通り過ぎる雲だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...恐れ戦き、遅疑、躊躇逡巡し、消極的となり感激を失うならば自由主義に劣る結果となる...
石原莞爾 「戦争史大観」
...逡巡(しゆんじゆん)の酒(さけ)を造(つく)ることを解(かい)し...
泉鏡花 「花間文字」
...鼠のあらぬに逡巡(ためら)ひぬ」ト...
巌谷小波 「こがね丸」
...今日までかくは逡巡(ためら)ひしが...
巌谷小波 「こがね丸」
...あれは――」と帳場氏は言葉を切ってちょっと逡(ためら)った...
海野十三 「蠅男」
...「呀ッ!」と帆村の逡(たじろ)ぐ前に...
海野十三 「蠅男」
...それが私の逡巡している心を激励した...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...その声はなほ名残を惜んでそこらに逡巡する夜を蹴散らして...
薄田泣菫 「独楽園」
...ちょっと様子を伺った上に致そうかと逡巡仕る也...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...少し逡巡(しゅんじゅん)していたが...
夏目漱石 「永日小品」
...火熨に逡巡(ためら)っていた糸子は...
夏目漱石 「虞美人草」
...そいつはと少々逡巡(しゅんじゅん)の体(てい)であったが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...逡巡してゐると、「お粥だな?」彼の返事も待たず附添の一人が、かつさらふやうに茶椀と汁椀を持つて行つて了つた...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...先がつかえているために止(や)むなく逡巡(しゅんじゅん)して...
本庄陸男 「石狩川」
...創作壇が特にその他の芸壇に比べて逡巡してゐるわけでもなからうし...
牧野信一 「月評」
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