...一円をすっかり使うことに逡巡(しゅんじゅん)してはいないであろうか?四二 虚栄心ある冬に近い日の暮れ...
芥川龍之介 「追憶」
...疑惑も逡巡も要するに通り過ぎる雲だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...逡巡しながら君の言葉を承認する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...そのとき帆村は逡(ためら)った...
海野十三 「蠅男」
...「呀ッ!」と帆村の逡(たじろ)ぐ前に...
海野十三 「蠅男」
...入口に立っていちょっと逡巡(しゅんじゅん)したが...
海野十三 「什器破壊業事件」
...伯爵がいかに躊躇逡巡したか――最後の瞬間まで彼は躊躇していた――この事実は抹殺して...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...下戸與大人相逢道路、逡巡入草、傳辭説事、或蹲或跪、兩手據地、爲之恭敬、對應聲曰噫、比如然諾...
陳壽 「魏志倭人傳」
...初(はじ)めは極(きま)りが惡(わる)くて他人(たにん)の閾(しきゐ)を跨(また)ぐのを逡巡(もぢ/\)して居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...「何です」兄はしばらく逡巡(しゅんじゅん)して口を開かなかった...
夏目漱石 「行人」
...私にはとても勤まりかねるからと逡巡(しゅんじゅん)したくらいでした...
夏目漱石 「私の個人主義」
...今今こそ必要なれ、今、我らが敵は奸佞なる守旧派に非ずして、遅疑と逡巡と、実に躊躇となり、遷延こそ最も怖るべき敵なれ、我らの為すべきは今、すぐ、今よりなり...
西村陽吉 「遥かなる憧憬」
...みずからを逡巡(しゅんじゅん)や反省なしに平気で殺人を敢行(かんこう)するのである...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...逡巡(ぐづ/″\)してゐずに愛(あい)ちやんは風(かぜ)のやうに走(はし)りました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...人勇ある者動かざれば虎止って坐り逡巡(ためらい)耳を弭(た)れて去ると...
南方熊楠 「十二支考」
...外の寒さを思ふと何となく逡巡(ためら)はれて...
吉井勇 「酔狂録」
...荊州も取り給わず遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん)...
吉川英治 「三国志」
...私はまたしても逡巡の誘惑に駆られる地点に来た...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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